目的;本研究は地域高齢者見守りの活動促進プログラムを開発し、見守りを実施する住民への動機づけの効果を評価することを目的とした。 方法;対象者はA市4地区の地区組織に所属する住民124人であった。プログラム内容は、見守りの必要性や見守りに必要な知識と技術の学習と地域高齢者の全数訪問等の見守り体験の実践であった。評価方法は、プログラム実施前後に自記式質問紙調査を実施し、項目は地域コミットメント、地域高齢者見守り自己効力感、見守りが必要な高齢者に対する関心の程度とした。 結果;プログラムの見守り活動の実践で、4地区で実施された見守り活動の成果は、訪問した高齢者数は、4地区の合計は946人であった。そのうち、訪問によって高齢者の状況把握ができたのは850人(89.8%)で、面会拒否者が3.0%、在宅の気配があるが応答のない者が0.9%、不在者は4.3%であった。質問紙調査の分析対象者は100人であった。対象者の地域コミットメントは介入前15.1点と比べ介入後は16.2点と有意に高くなった。地域高齢者見守り自己効力感は介入前11.9点と比べ介入後は12.9点と有意に高くなった。支援が必要な高齢者への関心の程度は、3項目とも有意に高くなった。 考察;対象地域が1地域で、プログラム参加者のみの変化の評価結果であり、結果の解釈には限界があるが、プログラムは地域住民の高齢者見守り活動を促進する可能性が示唆された。
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