研究課題/領域番号 |
23593461
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
柴田 しおり 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (70254480)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 外来血液透析者 / 身体活動量 / 睡眠 |
研究概要 |
本研究における平成23年度内の目標は、外来血液透析者の身体活動量および睡眠・覚醒リズムの全体像を加速度センサーデータから客観的指標を用いて明らかにすることであった。 外来血液透析者24名(平均66.0±8.2歳、透析歴10.4±9.1年、以下透析群とする)を対象に生活習慣記録機(ライフコーダ)を2週間装着して透析日と非透析日別に身体活動量を算出し、また睡眠に関するアンケート調査を実施した。睡眠調査は、入眠や中途覚醒など睡眠に関わることや、日中の眠気などに関する7つの項目で構成され、それを得点化した。また、透析群と年齢に差のない対照群(平均年齢70.3±6.8歳)に対して同様の調査を行った。 両群の年齢、身長、体重に差はなかったが、歩数および睡眠点については、透析群(約4800歩および23.7点)のほうが、対照群(約8700および26.1点)に比べてそれぞれ有意に低値を示した。また、透析群の歩数は、透析日(約3800歩)のほうが非透析日(約5700歩)より有意に低値であった。これらの結果は、外来血液透析者は身体活動量が一般高齢者より有意に低値であり、特に約4~5時間の時間を要する血液透析日での活動量が著しく低いことが示された。また、睡眠点は透析群で低値であることが示され、約8割が透析中に居眠りをしていると回答していることから、透析中の過ごし方が生体リズムに影響を及ぼし、睡眠の室を損ねている可能性が示唆された。 今後、やや解析が遅れている睡眠変数および生体リズム指標について分析を行い、透析中の援助具体的検討に用いる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の測定については順調に進展しており、夜間睡眠変数についてのみやや分析が遅れているが、3年間の研究遂行に支障をきたすものではないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度計画で終了していない睡眠変数および生体リズム指標の分析をすすめる(~6月)。平成24年度の目標は、生体リズムを整える看護介入が必要な透析者のクライテリアを明らかにすることである。昨年度の研究参加者のうち、同意の得られた外来透析者を対象に、透析中の体温を体温データロガーを用いて収集し、血液透析中の体温変化と睡眠・覚醒リズムおよび睡眠効率の関連の検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度使用しなかった26万円は、効率的なデータ収集のために、体温データロガー、鼓膜温プローブ等の購入にあてる予定である。
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