研究課題/領域番号 |
23593468
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
岡田 実 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (20438435)
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研究分担者 |
菅原 大輔 弘前学院大学, 看護学部, 助教 (80458166)
阿保 順子 長野県看護大学, 看護学部, その他 (30265095)
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キーワード | 精神看護 / 患者‐看護師関係 / 対立状況 / 援助関係 / コミュニケーションスキル |
研究概要 |
本研究2年目(平成24年度分)の実績を以下に述べる. (1)質問紙の最終的な回収結果 ①プレテストに精神科病院(単科)3施設の調査協力が得られ,延67名の看護師が調査に参加した.②精神科病棟を有する総合病院6施設のうち4施設の調査協力が得られ,延44名の看護師が調査に参加した.③精神科病院(単科)14施設のうち8施設の調査協力が得られ,延197名の看護師が調査に参加した.結果,②③の調査に参加した看護師505名に質問紙を配布し,241名から回答が得られた(有効回答率が47.7%).この有効回答率は,①のプレテストで得られたものとほぼ同率で見込み通りであった.350件前後の有効回答数を得るために,青森県外の精神科病院(単科)1施設からの協力を得ることができた.これを加えて,全体としては545名の看護師のうち278名からの回答が得られた(有効回答率51.0%).さらに,プレテストに参加した看護師67名を加えた345名から得られた質問紙が本研究の分析対象となる.質問紙調査に参加したのは,最終的に総合病院及び精神科病院の16施設36病棟であった. (2)資料の集計及び分析 345件の分析は現在進行中である.概ね,患者‐看護師間の対立状況が発生している場所・時間・内容についてはデータ入力が終了し現在分析を進めている.先のプレテストのデータ分析から得られた対立状況での「看護アプローチの諸形態」を下敷きに,345件それぞれにこれらの分類が適用できるかどうか,その妥当性を検討する作業に入りつつある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)平成24年度の達成度 当初予定していた平成24年度の研究課題は達成途中でにあり,現在もデータ分析は継続中である.分析作業にやや遅れが生じているのは,研究代表者(岡田実)が平成23年9月で所属大学が弘前学院大学から長野県看護大学に移ったことによる.現在,新たに所属した大学で研究分担者を追加(長野県看護大学精神看護学分野:森野貴輝助手)し分析作業を継続している. (2)平成23年度の研究成果 プレテスト得られたデータなどを基礎に,既にいくつかの研究成果が得られている.これらを基に,本研究調査に参加してくれた精神科病院での院内研修の講師を担当する機会を2回得た.これまで精神科看護実践においては暴力に対処するという視点が主流だったのに対して,本研究は,暴力が発生する前段階で見られる対立状況において,問題解決を図り暴力を未然に防止するという立場をとっている.職員研修において本研究の一部を紹介した結果,本研究の視点が受け入れられる感触をつかんだ.①青森県立つくしが丘病院主催,職員研修講師,テーマ:『精神医療の現場における暴力の問題-暴力への対処策から防止策へ(1)』(参加者52名,6月28日)②青森県立つくしが丘病院主催,職員研修講師,テーマ:『精神医療の現場における暴力の問題-暴力への対処策から防止策へ(2)』(参加者48名,7月13日)
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究課題として以下の4点があげられる. (1)既に収集してあるデータの入力・分析を急ぐ.(2)データの分析結果とプレテストの「対立場面の定義」と「看護アプローチの広がり」の結果と比較検討する.(2)研究代表者・研究分担者および研究連携者との検討を通じて,精神科病院での職員研修用のテキストを編集する.(3)実際の職員研修の機会に作成したテキストを提供し,その有効性を評価する.(4)これらの成果を学会で発表し研究報告にまとめる.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究費用の使用目的とその計画は以下のとおりである. (1)直接経費\600,000を次のように分配する.:研究代表者\200,000,分担研究者2名分¥400,000 (2)直接経費¥600,000の使用計画は次のとおりである.①施設備品費:\100,000 ②消耗費:\30,000 ③調査研究旅費:\200,000 ④謝金等\150,000(データ入力・分析補助)⑤会議費:\60,000(データ分析・解釈の会議,5回分)⑥その他:60,000(成果報告書作成など)
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