研究概要 |
研究者が開発した栄養バランス管理装置及び栄養バランス管理プログラムは標準栄養バランス表をコンピュータ化したものであり、対象者の生年月日を入力すると標準的な運動量に準じた食事摂取エネルギーにおける栄養バランスの分析ができる(2012年5月 特許第4987042号)。対象者に分りやすく視覚に訴えるために、食品材料(肉・魚・たまご・牛乳(乳製品)・豆(豆製品)・緑黄色野菜・淡色野菜・果物・穀類・油・砂糖の11項目)をそれぞれ該当する食品材料をイラストで示している。それぞれの食品材料の3日間におけるモデルとなる食品摂取頻度は白丸とし、摂取した食品材料または献立名を入力すると黒丸に変換される。それぞれの食品材料摂取頻度(モデル比1に対する割合=%)が円グラフで示され、食品摂取の偏りがより分りやすいようになっている。 当該年度はコンピュータシステムを充実するとともに、URLを設定した。これにより、より簡便に多人数の分析が可能になり、医療者だけでなく栄養学の専門知識がない一般の人でも本法を使用できるようになった。本法を用いて高齢者の肥満と運動習慣、食習慣との関連について検討した論文は2014年5月現在までに792回ダウンロードされた(Yukoh Yaegash, Atsuko Satoh, et al. Diets obese and non-obese older subjects. Health, 5, 361-363, 2013.)。また、第33回日本看護科学学会学術集会において「肥満高齢者と肥満児童の食物摂取頻度と運動習慣との関連」について本法を用いた分析結果を発表した。更に当該年度は生活が自立している高齢者糖尿病患者に6か月間の介入研究を行った。その結果、介入群(9名)のHbA1c値は7.4%から6.8%に有意に減少した(p<0.05)。そのうち3名はインシュリン量が減少した。コントロール群(8名)はHbA1c値が改善せず、インシュリンが減量した者はいなかった(未発表)。
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