研究課題/領域番号 |
23593470
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
浅川 典子 埼玉医科大学, 保健医療学部, 准教授 (00310251)
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キーワード | 認知症 / ケアマネジメント / 独居高齢者 / ケアマネジャー |
研究概要 |
認知症高齢者は、認知機能の低下により、自己が不安定で環境の影響を受けやすく、生活を営む力が障害されやすい。本研究の目的は、独居認知症高齢者の在宅生活継続を支援するケアマネジャーのケアマネジメントスキルを客観的に捉えられる尺度を開発し、その信頼性と妥当性を検証することである。 本年度は、昨年度に抽出した独居認知症高齢者のケアマネジメントの特徴について、意味内容の類似性に基づいて分類を進め、218項目のケアマネジメントの特徴を抽出した。218項目について、エキスパートケアマネジャー7名に訪問面接調査を行い、尺度の構成項目原案としての妥当性について検討した。項目表現が重複している項目の整理、項目表現の抽象度の統一に関する検討、ケアマネジャーの職務内容と照らし合わせて、わかりやすさの視点からの文言の修正を重ねて、56項目の独居認知症高齢者ケアマネジメントスキル尺度案(5段階)を作成した。 上記尺度案を用いて、予備調査として、A県内の2カ所のケアマネジャー連絡協議会の会員を対象としてアンケート調査を行った。その結果、尺度案の選択肢の内容と区分け(5段階)に課題があることが明らかとなり、4段階の尺度案に修正するとともに尺度の表現についても修正を加えた。それを通して、今後予定している予備調査、本調査で用いる尺度案を精選することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度行ったインタビュー調査をもとに、尺度案を作成した。インタビュー内容が膨大であったため、尺度項目として決定するまでの作業に時間を要した。 尺度項目精選のためのエキスパートレビューにおいても、対象者との日程調整が折り合わず、日程的に作業の進行が遅れた。そのため、予備調査の日程もずれ込む結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
予備調査を行い、尺度項目案についての反応分布の偏りの検討、項目分析を行った上で、因子分析を行い全国調査に持ちいる尺度原案を決定する。 その後、全国のケアマネジャーを対象とした調査を実施し、尺度の信頼性・妥当性を検証する。全国調査は2段階で行う。一次調査:独居認知症高齢者のケアマネジメント経験のあるケアマネジャーを得るために、全国から20%抽出した居宅介護支援事業所を対象に調査協力依頼を行う。二次調査:一次調査で回答の得られた独居認知症高齢者のケアマネジメント経験のあるケアマネジャーを対象に質問紙調査を実施し、その結果をもとに尺度の信頼性と妥当性を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、予備調査、本調査を行うための経費として使用する。 ①予備調査は、郵送で行うため、調査票作成、郵送費などの経費として使用する。 ②本調査の一次調査では、全国の居宅介護支援事業所(東北3件除く)35,000カ所のうち、20%無作為抽出した7,000カ所の事業所を対象に、郵送で調査の趣旨と概要の説明文を送付。調査への協力が得られた事業所を対象に二次調査を行う。二次調査:独居認知症高齢者ケアマネジメント経験のあるケアマネジャー(1,500程度を予定)を対象に自記式質問紙を用いた郵送調査を行うための、調査票作成、郵送、回答の返信用の経費として使用する。
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