太平洋戦争時に学童疎開をした11人の高齢者に当時の生活状況について聞き取りを行い、その戦争体験が後の人生に与えた影響について考察した。当時10代だった人も今は80代である。当時のいじめ、慢性的な空腹感、寂しさの実態が明らかになり、戦時中の怪我の後遺症や友人の死を目撃した記憶に悩まされ続けているケースもあった。今回の調査では戦争孤児の状況も明らかになった。沖縄は壊滅状態にあったが孤児院が建てられ保護された子供が多かった。一方本土では浮浪児となって生き抜いた子どもが多く、大人の繰り返される裏切りの中を生き抜いてきた。その経験に口をつぐんできた彼らも、戦後70年が過ぎ少しずつ語り始めようとしている。
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