研究課題/領域番号 |
23593476
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
酒井 昌子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (60236982)
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研究分担者 |
岩清水 伴美 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60516748)
長澤 久美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (80516740)
山村 江美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 講師 (90340116)
鈴木 みちえ 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50300166)
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キーワード | 高齢者終末期 / 非がん / 訪問看護 / 在宅看護 / 在宅緩和ケア / アセスメントツール |
研究概要 |
本研究の目的は余命予測の難しい非がん高齢者終末期について多様な終末期像を体系化し、終末期ケアの介入アセスメントを明らかにすることである。そのため、在宅における3疾患類型疾患に対する訪問看護師の予後予測の的中率と予後予測時点に出現した利用者の症状との関連を明らかにする調査を実施した。3類型はA型をがん、B型を慢性心不全や呼吸不全、C型を認知症や神経難病とした。政令都市の315訪問看護ステーションを対象に実施し130票を分析対象としした。分析は訪問看護師の判断と実際の差についてχ2検定を実施、終末期2時点の症状との関連は、各項目種別により一元配置分散分析、Paired t-test、二元配置分散分析を実施した。その結果、訪問看護師の予後予測は3類型ともに約5割の的中率であることが明らかになり、出現していた症状は、A型が疼痛、全身倦怠感、便秘・下痢及び浮腫と不安の5症状、B型は全身倦怠感、浮腫、呼吸困難と抑うつ気分、C型は便秘・下痢と全身倦怠感であり、3類型共通に悪化期にかけての呼吸困難の増強があった。終末期ケアの介入のサインとなる症状は示されたが、今回の調査回収率が19.4%と低かったことから、終末期ケアの関心が高い施設及び訪問看護師からの回答となった可能性があり、アセスメントツールとしての開発には限界がある。しかし、同様に在宅支援診療所医師の調査から8割の医師がターミナル時期の判断に訪問看護師の進言を採用していたことから、訪問看護師のアセスメントは重要と考え、さらに訪問看護師が実際にはどのような現象を捉え予後予測を判断しどのようなケア実践やチームケアに働きかけ、アウトカムとしての尊厳ある死に関連しているかなど前向き調査を行い非がん高齢者の終末期ケアの適切なアセスメントとタイミングよい介入が可能な高齢者終末期のケア基準の開発が必要である。
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