研究課題/領域番号 |
23593478
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
梅本 充子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (50410692)
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研究分担者 |
野崎 玲子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (40310544)
神保 太樹 昭和大学, 医学部, その他 (60601317)
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キーワード | 地域高齢者 / 回想法 / 介護予防 / 匂い / 音 |
研究概要 |
本研究は、認知症の介護予防、非薬物療法の一つとして回想法の効果的な手法の確立を目的とする。回想法は一般的には、視覚が中心に活用されてきた。本研究では加えて聴覚や嗅覚の感覚器の活性化を行い、倫理的配慮のもと、地域高齢者に対する介護予防の有効性の検証をおこなった。 研究デザインは、前向き介入比較対照研究、クロスオーバーデザインを用いた。参加者は65歳以上の地域在住高齢者、MMSE20点以上とした。研究場所は、A県・G県の3箇所で実施した。調査項目は、基本情報、認知機能、QOL、Life review、抑うつ度、生理的指標の唾液中ストレス物質、加速度脈波測定(TAS9)を測定した。その他セッション評価を行った。セッションは1週間に1回、1時間実施、計8回実施した。 23年度は、一般的な回想法とアロマを部屋に充満させ実施した。いずれも特に有意差は得られなかったが、平均値では、QOLや生理学的指標の抗ストレス性の改善が得られた。24年度は、テーマ毎に参加者の懐かしい匂いを用いて行った。記憶力が介入前と後で有意差が得られ、改善した。25年度は、音を中心に回想法を実施し、QOLに有意差が得られ、介入前と後、介入2ヵ月後まで回想法の効果が維持された。またセッション評価では、いずれも1回目と8回目に有意差が得られ、グループへの参加意欲、回想内容の発展性、回想、発言内容の質、対人(集団)コミュニケーション、喜び・楽しみなどの満足度が高まった。これらのことからより多くの感覚機能を活性化させ、回想を行うことが介護予防に効果があることが示唆された。
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