研究課題/領域番号 |
23593481
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
小林 貴子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (50279618)
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研究分担者 |
林 優子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (50284120)
横山 浩誉 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (20550510)
北村 有香 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (10438236)
松尾 淳子 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (10507370)
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キーワード | 看護実践モデル / 看護職者 / 介護職者 / 協働 / 連携 / 教育モデル |
研究概要 |
前年に資料収集した資料及び文献について整理・検討を行い、連携研究者により第27回日本保健医療行動科学会学術大会に発表した。介護保険施設における協働・連携の視点での教育方法の検討については現在試みの段階であることが明らかになった。発表された施設での取り組みは、事例検討会や記録用紙を用いた学習会の開催等が行われていた。 また、取り組みを開始している複数施設の見学・参加観察を行い、施設管理者・看護職との意見交換を行った。積極的な試みをしている施設では、看護職リーダーの意識の高さが看護職・介護職との協働・連携に反映されている事が推察できた。また医師が参加した取り組みを行っている施設は1施設あった。 本課題研究は看護師の実践知に着目していることから、介護保険施設で勤務する看護職の実践知を可視化する必要がある。そこで本調査の内容を検討するための看護職へのプレインタビューを行った。その結果、介護保険施設の看護師は、介護職者が生活ケア場面において健康状態が変だ,いつもと違うと感じた時には、躊躇せず看護職に伝えてくれるよう依頼していた。更に、介護職から高齢者の健康変調に関する前触れの報告があった時にはすぐに対応し、高齢者の健康状態を観察した看護師の判断を介護職に伝える事を実践していた。これらの結果を整理し、看護師の実践知を活用した教育モデル開発の基礎的資料を得るため、介護保険施設に勤務する看護師へのインタビュー調査を計画した。調査は所属機関の倫理審査委員会の承認を得て行った。24年度は、全国4地域10名の看護師への非構造的面接法による調査を行い、同意を得てデータは録音し、音データを反訳し逐語録として集積している。逐語録は質的分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
23年度提出予定の研究倫理審査委員会への提出が本年度にずれ込み、介護保険施設の看護職者へのインタビュー調査開始が遅れた。また調査が冬期であった為、予定した介護保険施設での感染症発症(インフルエンザ、感染性胃腸炎)により、調査時期の調整が必要となり研究全体の進行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き介護保険施設に勤務する看護師へのインタビュー調査を実施し、逐語録としてデータ化を行う。集積したデータは研究者グループによって質的分析を行い、得られたデータから介護保険施設に勤務する看護師の実践知を明らかにする。引き続きテキストマイニングソフト分析を加え、看護職・介護職の現場での連携・協働の構造を確認し、「看護職・介護職の協働・連携のための教育モデル」の開発を行う。 全体的に研究が遅れているが、次年度は質的分析の研究者を連携研究者に加えてデータ収集及び分析を迅速に行う。また教育モデル開発に向け、現場での看護職・介護職の協働のために有用な教育手法の検討を並行して行い、研究全体を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上述の通り、研究の遅延に伴い未使用額が生じている。未使用額および次年度の研究費は、下記の費用に充てる予定である。 1.物品費:データ分析ソフトの購入,データ保存物品, 2.旅費:インタビュー及びフィールド調査旅費、学会・研究会への参加旅費 3.人件費・謝金:データ反訳費,質的データ整理・資料作成のための人件費 研究協力者への謝礼「図書券2000円分」 4.その他:看護実践モデル,教育モデルに関する資料収集、会議費
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