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2013 年度 実施状況報告書

周産期メンタルヘルスのための包括的教育プログラムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23593485
研究機関甲南女子大学

研究代表者

玉木 敦子  甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (90271478)

キーワード周産期 / メンタルヘルス / 教育プログラム / 産後うつ病 / 精神看護
研究概要

平成25年度は、①妊産婦とその家族を対象とした教育プログラム、および②ピアサポートのための教育プログラムの評価と精錬を行った。また③看護職を対象とした継続教育プログラムを実施し、効果を検討した。
①については、A市に協力を得られることになり、某区居住の特定妊婦とその家族を対象としてプログラムを実施することになった。前年度に修正されたプログラムを対象者に合わせてより精錬するために、区保健師5名を対象に教育プログラム評価のためのインタビューを実施し、質的に分析した。その結果、妊婦への教育内容はほぼ適切であると評価されたが、パートナーへの介入をより強化する必要があると考えられた。結果をもとに妊婦とその家族を対象としてプログラムの精錬を行った。
②については、前年度作成された教育プログラム案を精錬するために、現在ピアサポートグループを運営・支援する女性3名を対象にインタビューを行った。得られたデータを分析した結果、プログラム内容はほぼ適切と評価されたが、ピア(産後うつ経験者)によるサポートの困難さが示された。したがってピア(産後うつ経験者)によるサポートに限定せず、専門職者も含めたサポートグループを運営・支援する者を養成するプログラムにした方が適切であるとの示唆を得た。結果をもとに「サポートグループ支援者のための教育プログラム」としてプログラムの精錬を行った。
③については、前年度の結果から、継続した教育が必要であることが示唆されたため、継続教育プログラムを計画し、5回実施して効果を評価した。プログラムは事例検討と事例に関連した教育内容で構成され、毎回15~20名、延べ80名の看護職(周産期母子保健に携わる助産師、保健師、看護師等)が参加した。参加者のほぼ全員が教育プログラムによって精神状態の査定、具体的介入方法についての理解が深まり、実践にも役立つと評価していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度は、①妊産婦とその家族を対象とした教育プログラム、および②ピアサポートのための教育プログラムの評価と精錬を行った。また③看護職を対象とした継続教育プログラムを実施し、効果を検討した。交付申請時の計画では、①妊産婦とその家族を対象とした教育プログラム、および②ピアサポートのための教育プログラムの効果を評価し、また③教育研修を受けた看護職による妊産婦に対する心理的支援の効果を検討することにしていた。①③について、教育プログラムおよび妊産婦への介入の実施に協力可能な施設・自治体を得ることに時間を要したため当初計画よりやや遅れた。しかしA市の母子保健事業と共同して行うことが決定し、またすでにA市の母子保健に携わる保健師と新生児訪問指導員への教育研修は25年度中に実施していることから、26年度当初より計画を進め、26年度に予定している計画と合わせて実施できる目処がついている。②については、当初ピアによるサポートを計画していたが、25年度の成果から「サポートグループ支援者のための教育プログラム」とする方が適切であると考えられ、プログラムの対象を修正したため当初計画よりやや遅れた。しかし、25年度中にピアサポートグループ代表と共同して研究計画を進めることが決定するなど、26年度に予定している計画と合わせて実施できる目処がついている。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、A市某区の協力を得、①教育研修を受けた看護職によって妊産婦に対する心理的支援を実施し、支援内容、妊産婦の精神状態および満足度等を評価することで、教育プログラムの有効性を明らかにする。また②A市某区居住の特定妊婦を対象に「妊産婦とその家族を対象とした教育プログラム」を実施し、前後の周産期メンタルヘルスに関する基本的知識の理解度、対処能力などを測定し、それらを質的、統計的に分析することで、教育効果を明らかにする。③「サポートグループ支援者のための教育プログラム」を某ピアサポートグループに参加する女性、またサポートグループ運営・支援に関心のある看護職を対象に実施し、前後の周産期メンタルヘルスに関する基本的知識の理解度、運営に関する知識などを測定し、それらを質的、統計的に分析することで、教育効果を明らかにする。
以上、得られた結果を取りまとめ、成果を発表する。

次年度の研究費の使用計画

妊産婦とその家族を対象とした教育プログラムの実施、および教育研修を受けた看護職による妊産婦に対する心理的支援の効果の検討について、教育プログラムおよび妊産婦への介入の実施に協力可能な施設・自治体を得ることに時間を要した。また当初ピアによるサポートを計画していたが、25年度の成果から「サポートグループ支援者のための教育プログラム」とする方が適切であると考えられ、プログラムの対象を修正した。そのため研究計画がやや遅れたことで、教育プログラム実施や心理支援の効果を評価するために予定していた研究費が使用できなかった。
平成26年度は、教育プログラム実施に伴う資料印刷費、研究者および協力者の出張費、会場費、研究対象者謝金、研究補助者謝金を使用する予定である。またデータ分析に伴う委託費、得られた結果をもとに適宜ホームページを更新するためのメンテナンス費用も計上している。さらに成果発表のための学会出張に伴う交通費を使用する。
複数の協力者と共同しながら3つの教育プログラムを実施するため、25年度に生じた次年度使用額も26年度中に使用できる予定であり、また使用する必要があると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 看護職を対象とした周産期メンタルヘルスに関する教育研修の効果:心理援助態度向上に焦点を当てて

    • 著者名/発表者名
      玉木敦子、北村俊則、小澤千恵、宮崎弘美
    • 学会等名
      第10回周産期メンタルヘルス研究会学術集会
    • 発表場所
      東京
  • [備考] 産後うつのページ

    • URL

      http://sango.kachoufuugetu.net/

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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