研究課題
平成26年度は、①看護職を対象とした教育プログラムの実施および効果の検討、②妊産婦とその家族を対象とした教育プログラムの実施および効果の検討、③サポートグループ支援者のための教育プログラムに取り組んだ。①については、前年度から引き続き、継続教育プログラムを実施し(26年度中に4回)、効果を評価した。プログラムは事例検討と事例に関連した教育内容、および最近のトピックス(出生前診断を受ける妊婦への心理的サポート等)に関連した教育内容で構成され、毎回20~30名、延べ80名の看護職(周産期母子保健に携わる助産師、保健師、看護師等)が参加した。参加者のほぼ全員が教育プログラムによって妊産婦の心理社会的側面、精神状態の査定、具体的介入方法についての理解が深まり、実践にも役立つと評価した。また、A市に協力を得て、教育プログラムを受けた母子保健に携わる保健師と新生児訪問指導員(助産師)計8名が、特定妊婦を対象に心理的支援を実施し、支援内容、妊産婦の精神状態および満足度等を評価することで、教育プログラムの有効性を質的に検討した。妊娠期間中の介入においては概ね肯定的な評価を得ており、今後、産後における評価を実施する予定である。②については、A市某区居住の特定妊婦とその夫9組を対象として前年度に精錬した教育プログラムを実施し、実施前後の精神状態と夫婦満足度、およびプログラムに対する満足度を評価した。対象者から得られた回答を分析した結果、夫婦間のコミュニケーションを促す演習が特に有効であることが示唆された。③については、前年度に精錬した「サポートグループ支援者のための教育プログラム」を、ピアサポートグループ代表と共同して周産期母子保健に関心のある看護職等に実施し、プログラム前後の質問紙調査結果から教育効果を分析している。以上で得られた結果を取りまとめ、関連する学会等で成果を順次発表した。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
日本周産期メンタルヘルス研究会誌
巻: Vol.1, No.1 ページ: 22-28
http://sango.kachoufuugetu.net/