本研究では、以下の3点について成果が得られた。1)認知症高齢者グループホームの職員は排便ケアに関する学習ニーズを強く持っていた。実施している排便ケアは排便リズムの把握、水分・食事に関するケアの実践が多く、腸蠕動を促す援助は少なかった。2)食事・水分量の確保、活動量の増加といった基本的な生活を整えるケアが可能な事例では、便の性状にばらつきがあるものの排便状況が改善した。3)体力の減退・認知力の低下から基本的な生活を整えるケアの実施が困難であった事例では、排便状況の改善は難しかった。しかし、わずかな変化ではあったが、排便頻度の増加、下剤使用量減少が見られたことから実践したケアは有効であるといえる。
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