研究課題/領域番号 |
23593491
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
姫野 稔子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (50364188)
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研究分担者 |
小野 ミツ 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60315182)
稲留 由紀子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 助教 (20441876)
孫田 千恵 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80389501)
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キーワード | フットケアプログラム |
研究概要 |
今年度の研究目的は、地域の施設でフットケアプログラムを展開し、プログラムの効果を検討することである。前年度の3月に介護予防事業の説明会に参加し、フットケアプログラムの内容と地域での導入について説明した。また、導入にあたり、参加希望施設を募集することを伝達した。その結果、6法人13施設から参加希望があり、参加希望の名乗りを上げた施設の職員を対象に、フットケア研修(座学2回、演習1回)を実施した。研修を受けた施設の中から、介護予防としてふさわしい施設を3施設選定し、当該施設の職員が、その施設を利用している高齢者に対して6週間のフットケアを指導した。フットケア介入期間の前後に足部の実態の観察、足部の循環機能・神経機能、立位能力、歩行能力を測定し、ケア前後の変化を測定した。その結果、足底部の皮膚の状態が改善し、足底部の触圧覚の閾値が低下した。循環機能には著明な変化がみられなかったが、立位能力・歩行能力ともに機能が向上していた。しかしながら、これらの結果は生データの比較であり、統計学的分析はまだ実施していない。この分析については、次年度に繰り越す予定である。 一方、プログラムを実施する職員に対する研修内容やプログラムの指導案の妥当性を検討するために、指導の場面における施設の職員と高齢者とのやりとりを録音し、逐語録におこしている途中である。今後は逐語録の作成および分析を行い、研修内容の追加・修正および指導案の追加・修正を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はフットケアプログラムの妥当性の検証と提唱の2点を目指している。今年度は妥当性を検証するために施設職員にフットケア指導を実施してもらい、フットケアの効果の検証のためのデータを収集した。分析途中ではあるが、研究スケジュールにそって順調に進んでいる。また、プログラムの内容には指導案と指導者となるための研修内容の修正も必要であり、指導場面を録音した。これらを質的に分析し、現時点での指導案や研修内容と照合することによって、必要な修正内容があきらかとなる。これも分析途中であるが、次年度に繰り越す予定である。これも想定の範囲で比較的順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に収集したフットケア指導期間前後の変化(フットケアの効果)について、統計学的分析を行っていく。また、フットケア介入の場面において指導を行った職員と高齢者とのやりとりも分析し、指導案や研修内容の修正を行う。上記終了後は、フットケア介入のためのDVDを作成し、また、フットケア指導のための冊子を作製する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
共同研究者の交通費等に10万円を充てていたが、研究実施日の日程が合わない日が多く、交通費を使用できていない状況があった。次年度は今年度収集したデータの分析が主たる課題であるが、分析のための会議等の交通費として使用予定である。データのボリュームが大きいため研究補助者に可能な箇所の作業を依頼する。また、分析の結果、得られた成果については、学会で発表するため、学会参加やその交通費等に充てる。
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