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2012 年度 実施状況報告書

ウラン核分裂片量子ビームに対する陽子半径の系統的測定

研究課題

研究課題/領域番号 23600002
研究機関埼玉大学

研究代表者

山口 貴之  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10375595)

キーワード不安定核 / 陽子半径
研究概要

本研究は、おもにウラン核分裂などで生成される高エネルキー不安定核ビームに対して、できるたけ多くの荷電変換反応断面積を精密測定し、これらの原子核中の陽子分布に対する半径「陽子半径」を決定することを目的としている。荷電変換反応から原子核の陽子半径を導出する方法は、我々独自のアイディアによる。高エネルキー重イオン反応は入射核と標的核の中の核子同士の反応の和で表されるため、荷電変換反応は入射核の陽子と標的核が反応する確率か最も高い。我々はすでにクラウバー理論を改良し、荷電変換反応から陽子半径を導く方法を得た(PRLにて発表済み)。不安定な原子核の陽子半径はこれまで唯一、アイソトーフシフトの観測によってのみなされてきたが、生成量の多い、安定線に近い原子核だけであった。本研究によって、広範囲に不安定核の陽子半径を決定し、中性子過剰不安定核の殻構造の変化を系統的に議論することができる。H24年度は放射線医学総合研究所において本研究の方法を中重核に適用し、その一般性を検証した。実験では、核子当り500MeVのエネルギーを持つ56Feおよび70Geの1次ビームから2次ビームを80種類以上(ArからGe同位体まで)生成し、その荷電変化反応断面積を精密測定した。荷電半径が既知である核種(不安定核を含む)に対して、荷電半径と荷電変化反応断面積の相関を調べたところ、軽い核で得られた結果と同様に、数%の精度で断面積から半径を導出できることが分かった。また、本測定で使用予定の傾斜薄膜型イオンチェンバーを製作しビーム試験を行った。その結果、分解能1%というよい結果を得ることが出来た。以上の成果はEMIS2012国際会議に於いて口頭発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の方法論が中重核にも適用出来ることを示すことができた。大型イオンチェンバーを製作し十分な性能を得た。以上から本測定の準備は整ったと言える。

今後の研究の推進方策

放射線医学総合研究所での実験は成功し、本測定の準備も整っている。理研RIBFに実験課題を申請し、実験するのみである。

次年度の研究費の使用計画

研究成果発表のための旅費が主な用途になる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Observation of new microsecond isomers among fission products from in-flight fission of 345 MeV/nucleon 238U2012

    • 著者名/発表者名
      D. Kameda, T. Kubo, T. Yamaguchi, 他57名
    • 雑誌名

      Phys. Rev. C

      巻: 86 ページ: 054319/1-21

    • DOI

      10.1103/PhysRevC.86.054319

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Interaction cross sections for Ne isotopes towards the island of inversion and halo structures of 29Ne and 31Ne2012

    • 著者名/発表者名
      M. Takechi, T. Ohtsubo, T. Yamaguchi, 他51名
    • 雑誌名

      Phys. Lett. B

      巻: 707 ページ: 357-361

    • DOI

      10.1016/j.physletb.2011.12.028

    • 査読あり
  • [雑誌論文] One- and two-neutron removal reactions from 19,20C with a proton target2012

    • 著者名/発表者名
      A. Ozawa, Y. Hashizume, T. Yamaguchi, 他34名
    • 雑誌名

      Phys. Rev. C

      巻: 84 ページ: 064315/1-7

    • DOI

      10.1103/PhysRevC.84.064315

    • 査読あり
  • [学会発表] Systematic study on individual charge-changing cross-sections of intermediate-energy secondary beams2012

    • 著者名/発表者名
      T. Yamaguchi
    • 学会等名
      EMIS2012
    • 発表場所
      Matsue (くにびきメッセ)
    • 年月日
      20121202-20121207
  • [学会発表] 核子当り300MeV/uでの中重核の荷電変化断面積の系統的測定2012

    • 著者名/発表者名
      山木さやか
    • 学会等名
      日本物理学会2012年秋季大会
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      20120911-20120914
  • [学会発表] HIMACに於ける中間エネルギー核破砕片生成断面積の測定2012

    • 著者名/発表者名
      河野準平
    • 学会等名
      日本物理学会2012年秋季大会
    • 発表場所
      京都産業大学
    • 年月日
      2012-09-13

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公開日: 2014-07-24  

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