宇宙空間における生命分子成長場である暗黒星雲中の宇宙塵モデルとして、マントル部分にシリカゲル、表面部分に固体パラ水素を用い、宇宙空間と同様に放射線を照射して生成する水素原子と他のラジカルとの反応について主に調べた。その結果、4.2 Kにおいて、水素原子は水素原子とのみ反応し、メチルラジカルやTEMPOラジカルとは反応しないことがわかった。この結果は、4.2 Kにおいては完全にトンネル機構でしか拡散できないため、近隣にメチルラジカルやTEMPOがあってもそれらや担体のシリカゲルによって歪められた固体水素の結晶がトンネル拡散を阻み、ラジカル―ラジカル反応が進行しないと結論された。
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