研究課題/領域番号 |
23600008
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
庄司 善彦 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 准教授 (90196585)
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キーワード | 粒子加速器 |
研究概要 |
(1)ストリークカメラを使ったモニターシステム構築; ドーブプリズムと、光学集束系の整備によりバンチ内の垂直空間構造をモニターするシステムを構築した。このモニターシステムを、IBIC (International Beam Instrumentation Conference)において報告した。 (2)蓄積リングの非アクロマティック運転; 実験で予定している非アクロマティック運転の改善を行った。入射ビームエネルギーのミスマッチを利用した入射方式を考案し、有効性を実証した。これにより、非アクロマティック状態のトップアップ運転が可能となり、実験を容易に進める事が可能になった。この内容を日本加速器学会において報告した。 (3)H/Vカップリング補正; 蓄積リング調整の一環として、局所的捩れ4極磁場調整を実施し、H/Vカップリング補正を試みた。調整状況をビーム物理研究会において発表した。 (4)垂直キッカーシステム導入; 垂直キッカーシステムを設置し、テストを行い、正常動作を確認した。更に時間幅の短い(400ns)電源への改良を実施し、タイミング調整を完了した。 (5)多機能補正磁石製作; 蓄積リング調整用の8極電磁石ヨークを製作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度に予定していた項目の中で、蓄積リングの調整が遅れ、CSR計測に進む事ができていない。 (1)捩れ4極磁場調整において、不自然な調整パラメーターが得られ、その解決に時間がかかった。平成25年に至って、垂直ステアリング電磁石に問題があった事が判明した。この補正の為の捩れ4極電磁石と電源システムの整備は終了した。 (2)本研究に不可欠なコヒーレントベータトロン振動の継続が実現できず、解決に時間がかかっている。平成25年に至って、垂直ベータトロン振動数の水平ベータトロン振幅依存と、非線形モーメンタムコンパクションファクターの影響が明らかとなった。コヒーレント振動の先行研究ではこれらについての記述がなく、事前予測できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
H25年4-7月; 現時点の知見に基いて蓄積リングの調整を進め、バンチ内の垂直空間構造の確認を行う。更にTHz検出器を用いてコヒーレント放射を確認する。 H25年8-9月; 更なる蓄積リング調整が必要となる場合は、多機能補正電磁石を設置する。 H25年10月-H26年3月; THz分光のデモンストレーションを実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定通り、研究発表、実験旅費、実験補助人件費にあてる。
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