研究課題/領域番号 |
23601003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 馨 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (70215531)
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研究分担者 |
渡辺 隆一 信州大学, 教育学部, 教授 (10115389)
岩岡 正博 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40213269)
中山 雅哉 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (90217943)
大辻 永 茨城大学, 教育学部, 准教授 (20272099)
藤原 章雄 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (60292794)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | インターネット / 自然観察 / フェノロジー / 環境教育 |
研究概要 |
「インターネット森林観察サイト(以下「森林観察サイト」)」の構築のため、東京大学秩父演習林内の31林班の森林と、信州大学志賀自然教育園内おたのもうす平の森林を対象に、新たに高解像度デジタル写真による撮影記録システムと生態音配信録音システムの導入を進めた.秩父演習林については、映像データをインターネット伝送するシステムを開発導入し、当日のうちにインターネット公開するシステムを開発し運用を続けている. 志賀自然教育園は既設の商用電源とインターネットサービスを利用してインターネット配信するシステム整備を進め、24時間ネットワーク接続を行なっている.秩父演習林は商用電源もインターネットも無いため、現地にソーラー発電蓄電システムと衛星ネットワークシステムを導入し、1日6時間程度ネットワーク接続とデータ転送を行なうシステムを構築した. 樹木フェノロジ観察データについては、志賀自然教育園内の主にダケカンバをフェノロジー観察対象として1986年から記録されているフィルム写真をデジタル化し、森林観察サイトに入力し、現在データベースを整備中である.秩父演習林のカスミザクラとイヌブナに着いては、1996年からのビデオ映像記録をデジタル化しデータベースに入力した. 生態音については、H23年度から現地からインターネットによりライブ音配信と録音を行い、合わせてインターネットで公開するシステムを構築して運用を続けている. これらについては、インターネットのツイッターシステムにより、ライブ音配信と録音公開サービス、および樹木フェノロジー観察サイトについて随時周知を行なっている.ライブ音配信に着いては、鳥類専門家が鳥の種名聞き取り調査を進めている. 2012年2月に共同研究者が一同に会して研究シンポジウムを開催した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初初年度に計画していた内容を順調に進めている.まずインターネット森林観察サイトのフィールドとして当初計画している2カ所(東京大学秩父演習林、信州大学志賀自然教育園)に、生態音ライブ音配信システムと1眼デジタルカメラ遠隔自動撮影システムを設置し、データの転送を行なっている.また森林観察サイトのサーバについても、データ転送受け取りと、蓄積、および公開サーバによるデータ公開、さらにはライブ音配信システムを稼動させ、インターネットライブ配信と録音記録公開を継続的に進めている.
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今後の研究の推進方策 |
1.東大秩父演習林を対象において(1)カスミザクラ、イヌブナの過去の映像と現在の映像を比較できるフェノロジー観察サイトの構築と運用、(2)生態音ライブ音配信を使った鳥類センサスデータの構築を進める.2.志賀自然教育園において(1)ダケカンバの過去の画像と現在の画像を比較できるフェノロジー観察サイトの構築と運用、(2)生態音ライブ音配信を使った鳥類センサスデータの構築を進める.3.上記2カ所のデータを使って、森林のフェノロジー知識情報の収集と提示手法の検討を行なう.4.森林観察サイトの本格運用と森林観察サイトと森林環境理解との関係把握を行なう.
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次年度の研究費の使用計画 |
小中学生等の1クラスを班分けして情報提示を行なうために、森林観察サイト情報提示用Pad型情報端末を5~6台程度購入する. フィールドのシステムメンテナンス、および研究打ち合せ、研究集会のための旅費 システムメンテナンスのための物品費
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