研究課題/領域番号 |
23601007
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
高木 真人 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (10314303)
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研究分担者 |
阪田 弘一 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (30252597)
永田 恵子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10588693)
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キーワード | こども / 縁側 / 外遊び / 滞留 / 歩行 |
研究概要 |
2012年度においては、DT保育園とKS保育園の縁側におけるこどもたちの行動特性のうち、主に滞留しやすい場所に関する分析、縁側を介しての室内や外との出入り量に関する分析を行った。 2013年度は、引き続きこの2園について、保育室面積や縁側面積と縁側滞留率の関係、滞留時の遊びの内容に関する分析を行った。その結果、一人当たり保育室面積の大小に関わらず、こどもたちが自主的に縁側に出て遊びたがる傾向が確認された。また、縁側での遊び内容は、静的な遊びについては保育室内での遊びとほぼ同じであったが、保育室内ではみられない鬼ごっこのような動的な遊びが縁側では確認された。そして、その一部は外(園庭)へとはみ出すような行動も確認できた。 さらに、2012年度後半に調査を行った千葉の2保育園(WK保育園、SK保育園)に関して上記2園と同様に滞留特性と歩行特性に関する分析を進めた。SK保育園は、縁側自体はそれほど広くなく保育室内との連続性もあまりないが、積極的に縁側利用を推進しているため、縁側滞留率が際だって高かった。また、縁側と外の出入り量もその分多くなっていた。一方、WK保育園は、上記2園とほぼ同じような縁側であり、したがってこどもたちの行動も同じような傾向を示した。ただし、この保育園では縁側の一部が外(園庭)にせり出し回遊性をもつ空間構成となっていて、この部分での滞留および出入りが顕著になるという傾向が確認できた。 以上のように、概ね縁側における滞留特性・歩行特性を明らかにし、「外遊びへ展開しやすい縁側」について提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで、まず京都市およびその周辺の保育園にアンケート調査を行い、保育園における縁側の実態とその形態的特性を明らかにした。そして、観察調査により、縁側における滞留特性を分析し、こどもたちがよく遊ぶ縁側とはどういうものなのか明らかにしてきた。さらに、こどもたちがよく遊ぶ縁側、すなわち縁側と保育室が広くつなげられていて幅も広い縁側における滞留特性・歩行特性について遊び内容との関連も含め詳細に分析した。その結果から、保育室面積に関係なく縁側に自主的に出て遊んでいる状況が確認できた。また、縁側の面積・スケール・空間構成によっては動的な遊びが発生し、そこから外へとはみ出そうとする状況も確認できた。以上のように縁側による外遊び展開のメカニズムはおおよそ明らかにでき、これに基づき「外遊びへ展開しやすい縁側」について提案した。これらの結果については、日本建築学会大会学術講演梗概集(3編)および国際論文誌“International Journal of Spatial Design & Research”(査読付・1編)に投稿し発表してきた。ここまでは概ね順調に進められている。 ただし、本研究においては、最終的に縁側との比較考察のためにタイのバンコクなどで縁側に類する空間についての現地視察を行う予定であったが、バンコクを中心にデモが継続され政情に不安があったことから、翌年度に調査を繰り越している。したがって、その部分に関して達成度がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度後半に予定していたアジア諸国における伝統的な空間としての縁側に類する空間についての調査を行う。タイのバンコクおよびその周辺都市の建築関連の博物館や民家園などに現地調査に行き、実測調査および資料収集を行い、日本の伝統的空間としての縁側との相違点などについて比較考察する。以上により、本研究が完了する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究では、最終的にアジアにおける縁側に類する空間との比較考察するためにタイのバンコクなどで現地視察を行う予定であった。しかし、バンコクを中心にデモが継続され政情に不安があったことから、翌年度に調査を繰り越した。したがって、主にその現地調査を行うための費用に関しての次年度使用額が生じている。 アジア諸国における伝統的な空間としての縁側に類する空間についての調査を行う。タイのバンコクおよびその周辺都市などにおいて、建築関連の博物館や民家園などに現地調査に行き、実測調査および資料収集を行い、日本の伝統的空間としての縁側との相違点などについて比較考察する。したがって、主に旅費と資料収集のための費用として使用する予定である。
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