研究課題/領域番号 |
23601011
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
恒川 元行 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (70197747)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 第2言語としてのドイツ語 / 移民 / ドイツ / 就学前児童 / ことばの発達支援 |
研究概要 |
23年度は、「研究実施計画」の(1)ドイツの「ことばの発達支援」に関わる関連キーワードの抽出と整理、(2)新たな資料収集と現地調査、および日本の対応施策に関わる、(3)年少者日本語学習支援に関する資料収集と現地調査、3点を着実に実施した(一部、24年度を含む)。<文献調査・情報収集等> ドイツ青少年研究所文献調査(ドイツ、11月29日-12月6日)、名古屋国際センターライブラリー文献調査(日本、12月27日);シンポジウム「成人移民と受け入れ社会のコミュニケーションと言語教育」参加(京都大学人間・環境学研究科、3月12日)、とよた日本語学習支援システム構築記念シンポジウム「多文化共生社会を目指して-日本語学習支援が創る地域社会-」参加(豊田市、3月28日)、EUIJ九州シンポジウム「EU,ドイツ、日本における移民受け入れの課題」参加(福岡市、4月2日);研究打ち合わせ実施(鹿児島大学教育学部、4月6日)<キーワード事典の作成> 文献調査と新たな資料収集に基づき、資料2点(kindergarten heute Sonderheft 2005およびSprachliche Bildung in Kindertageseinrichtungen, 2011)を選び、キーワード抽出作業を開始した。また、この作業に関連し、作業効率を上げるための作業用コンピュータソフト(2種)の開発を依頼して導入。さらに、名詞をキーワードとして立てることの意味を言語学的に考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3月に23年度2回目のドイツ調査を行う予定であったが、健康上の理由からこれを断念せざるを得なくなったため、その分の予算が未消化となり、またキーワード事典作成作業にも若干の影響があった。しかし、計画全体としては、上記の【研究実績の概要】のとおり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
24年度以降は、以下3点を中心に、研究を推進する予定である。<キーワード事典の作成継続> 23年度に開始した資料2点(kindergarten heute Sonderheft 2005およびSprachliche Bildung in Kindertageseinrichtungen, 2011)に基づくキーワード抽出作業を継続する。また、ドイツでの「ことばの発達支援」を展望できる事典形式に整理することを念頭に、キーワードの記述を徐々に進める。特に上記第2文献は内容的に重要と思われることから、翻訳紹介についても検討する。<現地調査と問い合わせ> 文献からだけでは十分に理解できない項目、記述に際して判明する不明点、疑問点を問い合わせ、新たな資料を入手するため、電子メールを利用するほか現地にも直接赴く。日本での年少者日本語学習支援に関する資料収集や現地調査、シンポジウム参加も継続する。<情報交換と研究成果の発表> キーワード事典作成(および、場合により翻訳紹介)、現地調査・問い合わせだけでも十分な仕事量であることから厳しい課題ではあるが、各種研究会での成果報告にも鋭意取り組みたい。少なくとも、関心を共有する研究者と積極的な情報交換をこころがける。なぜなら、本研究が対象とする、就学前児童のための「ことばの発達支援」に関するドイツでの研究や施策の展開、およびその重要性は徐々に他の研究者にも認識されつつあるが、この分野が実際に話題になることはまだまだ少ないからである
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度の研究費は、【今後の研究の推進方策等:今後の研究の推進方策】に記述した3項目に利用する。23年度に健康上の理由から中止した2回目のドイツ研究調査予算は24年度に回し、ドイツでの文献内容確認の機会として利用することで、キーワード事典作成(および、場合により翻訳紹介)の進展を図る。また、関心を共有する国内の研究者との情報交換、特に得られた知見が日本にとってどのような意味をもちうるかを検証する目的、および一人での研究ではカバーできない領域について教示を乞う目的に利用する。
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