研究課題/領域番号 |
23601012
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
新小田 春美 三重大学, 医学部, 教授 (70187558)
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研究分担者 |
末次 美子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70437789)
清原 千香子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00169963)
加来 恒壽 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60185717)
松本 一弥 広島文教女子大学, 人間科学部, 教授 (80086602) [辞退]
浅見 惠梨子 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (80369751)
古賀 靖子 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (60225399)
木下 義晶 九州大学, 大学病院, 准教授 (80345529)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | 昼夜別 / 睡眠・覚醒リズム / 高照度 / 音圧 / NICU / 養育環境 / 生理的ストレス反応 |
研究実績の概要 |
目的:高照度や騒音の治療環境による睡眠・覚醒リズムの影響をNICU入院児と、成熟新生児の比較によって、睡眠の質評価、生理的ストレス反応など生体リズムの視点から、子どもに優しい成育環境の実現にむけた睡眠環境指針を探る。 研究方法:平成25-26年度(3年目)は、NICU治療環境における介入(暗環境)下での睡眠・覚醒行動と活動量の変化を観測した。在胎31~32週齢で生まれ、呼吸循環状態が落ち着いた修正在胎33~35週齢時(生後8~21日)に、5組のケースについて、生理的活動量と睡眠状態の観測を行った。ストレス指標として、P,R,SPO2と環境測定(照度、騒音)を同時モニターを行った。暗環境による影響を見るための介入観測は、目標症例数は15組であったが、NICUの工事等の病棟側の事情と、研究代表者の異動などにより、目標数の達成ができないまま観測を中断することとなり、介入影響による分析まで至らなかった。 今回は、2年目-3年目の取り組みであったGCU,NICU児の昼夜の通常のメリハリ環境下での睡眠・覚醒リズムと活動量について36名の観測研究データを分析をした。 結果:養育環境は、夜帯の方が照度は低く、音刺激は日によっての違いが見られたが昼帯も夜帯の音圧の有意な差はなかった。昼帯と夜帯の、それぞれの時間経過による睡眠の質の割合をみてみると、昼夜ともに2-3時間の授乳リズムに同期を認めた。今後は、介入5組のうち、有効症例について症例数が少ないので、事例報告予定である。さらに、一部の協力者へのフォローとして、調査協力してくれた対象者についての在宅における養育環境と睡眠及び情緒行動について調査票を送付し、こどもにやさしい養育環境の考察をまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NICUの工事や感染症の発症などの病棟事情により、入院児の制限や観測中断などがあり大幅に進行が遅れた。さらに、研究代表者の異動に伴い同一施設での調査継続が不可能な事態となり、介入研究は中断せざるおえなくなり介入観測の目標数の達成ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新生児への看護処置(授乳・検温など)による影響を、新生児の活動量や生理的ストレスサイン(バイタルデータ)との関連を分析、さらに環境影響として照度や音圧による同期による反応などを事例的にまとめる。さらに、調査協力いただいた方への発達影響や養育環境、特に光・音への配慮など発達上の問題の有無などをアンケート調査によってフォロ―し、高照度環境での低出生体重児の治療環境についての課題をまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に各種測定データの追加収集及びデータ解析を行い、研究成果のとりまとめを行う予定であったが、研究代表者の異動に伴う研究フィールドの移行・環境整備及び研究体制の再構築、また故障した測定機器の対応策の検討に時間を要したため、実施することができず次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
各種測定データの追加収集及びデータ解析と研究成果のとりまとめを次年度に行うこととし、その経費にあてることとする。
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