研究課題/領域番号 |
23601014
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
花沢 明俊 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (10280588)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 画像処理 / 人物検出 / セキュリティー |
研究概要 |
子供の危険行動検出を行うためのシステム構築に必要な、画像処理に関する基礎技術の開発と、データ画像の収集による行動解析を平行して行った。主な開発項目は、(1)人物検出(2)人物追跡(3)人物の行動解析の3項目に分けられる。(1)の人物検出においては、検出の精度及び速度の向上に取り組んだ。検出精度は、人物検出用の画像認識アルゴリズムであるHOG特徴とブースティング学習を組み合わせた手法に、あらたにCSS特徴と呼ばれる画像特徴量を導入し、検出精度向上に成功した。検出速度の向上は、上記のアルゴリズムにおいて、計算量の効率的削減によって達成した。この成果は、国内研究会および査読付き国際学会において発表した。(2)の人物追跡においては、追跡アルゴリズムの基礎となる動き検出アルゴリズムについて、精緻化を行った。これまで動き検出は、空間周波数毎に独立に行っていたが、その統合アルゴリズムを開発し、動き検出について良好な結果が得られることを確認した。この成果は、国内研究会および査読付き国際学会において発表した。(3)の人物の行動解析については、近隣の保育園に協力を依頼し、主に障害物を乗り越える歳の3~5歳の子供の動画像を撮影し、データ画像とした。また、マーカーによる動作解析を行い、大人との比較を行っている。これら1~3の基礎技術は、子供の検出・追跡・動作解析という一連の画像処理を行うシステムとして統合する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子供の危険行動検出を行うためのシステム構築に必要な基礎的、要素的画像処理技術開発がほぼ達成できた。現在は研究概要に挙げた(1)人物検出と(2)人物追跡について、統合を行うことにより、廊下やホールに設置した監視カメラ画像から人物部分を抽出し、(3)の行動解析用の画像データを生成できるようシステムを開発中である。さらに平成24年度中に、この人物抽出画像における子供の行動解析・行動認識技術開発を達成する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、(1)廊下やホールに設置した監視カメラ画像からの人物時系列画像抽出(2)抽出された人物時系列画像の解析による行動解析・行動認識について、技術開発を行う。必要な場合は、3DカメラやKinectなどの奥行き検出手法やサーモグラフィーも併用する。人物時系列画像の行動解析・行動認識においては、ブースティング、SOM、SVMなどの利用可能な学習アルゴリズムついて試行的研究を行い、最適なアルゴリズムを探索する。平成24年度中にこれらを完成させ、平成25年度開発予定の最終目的である画像による行動予測技術開発につなげる。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、人物検出・行動認識に必要な画像取得のうち、通常の画像情報以外の、体温、奥行き情報などの情報を取得するためのサーモカメラ、3Dカメラなどの特殊なカメラ機材のの購入を行う。また、保育園等の現場に試験的にシステムを設置するためのPC類を購入する。
|