研究課題/領域番号 |
23601014
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
花沢 明俊 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (10280588)
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キーワード | 画像処理 / 画像認識 / 見守り / 子供 |
研究概要 |
子供の危険行動検出を行うためのシステム構築に必要な、画像処理に関する基礎技術の開発と、データ画像の収集による行動解析および行動検出技術開発を行った。主な開発項目は、(1)人物検出(2)子供の歩行解析(3)赤外線測距センサーによる人物の行動検出の3項目である。(1)の人物検出においては、検出の精度及び速度の向上に取り組んだ。検出精度は、人物検出用の画像認識アルゴリズムであるHOG特徴とブースティング学習を組み合わせた手法に、あらたに局所色相関に基づいた独自の画像特徴量を導入し、検出精度向上に成功した。この成果は、国内研究会および査読付き国際学会において発表した。(2)子供の歩行解析においては、障害物乗り越えなどの状況おけいて出現する、子供の特徴的な歩行パターンについて解析し、良好な判別結果を得た。研究成果は、学会等での発表を準備するとともに、倉庫など子供の立ち入り禁止場所への侵入防止システムへの発展・実用化研究を行っている。(3)赤外線測距センサーによる人物の行動検出については、部屋の中での人物の位置や姿勢検出の基礎的な研究を行い、主に頭部検出の精度を上げることによる、部屋の中での位置検出の精度向上を行った。今後さらに、姿勢検出についての研究を行う予定である。これら1~3の基礎技術は、子供の検出・動作解析という一連の画像処理を行うシステムとして統合する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カメラ画像に基づいた人物・行動検出技術の性能向上と同時に、当初予定していた赤外線測距センサーによる人物・行動検出技術の開発を行うことができた。また、障害物や段差などに注目した子供に特徴的な歩行を検出することによって、危険防止のための実用化の可能性のある技術開発ができた。平成25年度中に、カメラ画像と、赤外線測距センサーの技術を組み合わせて、より精度の高い人物・行動検出技術の基礎技術開発を行うとともに、子供の事故防止への実用化について検討を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、カメラ画像と赤外線測距センサーを併用した、人物検出、人物の位置検出、人物の行動検出について基礎技術開発を行うとともに、それらに基づいた保育所等での実地調査、画像データ収集を行うことにより、実用化の方法を検討する。また、最終目的である画像による行動予測技術開発につなげる。
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次年度の研究費の使用計画 |
赤外線測距センサーについて、保育所等でのデータ収集、実地テストを目的とし、追加購入すると共に、長期間継続してデータ収集や見守り監視の試行を行えるよう、センサーと組み合わせて使用する小型PC等の機材を購入する。
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