本研究は子どもの疲労に対しての形成因子を物理、心理、社会的環境を発育、発達段階を配慮しながら明らかにし、学童期の子どもたちの疲労を早期発見することを目的とした疲労質問紙の検討と疲労状態の一つの病態である小児慢性疲労症候群に対しての治療法の開発、確立を目的とした。 検査は、今回のプログラムの目的を理解し同意を得た熊本市内の小中学校生 7歳~13歳(小学1年生~中学1年生)の男子51名、女子35名 合計86名を対象とした。平均年齢は 12.06±1.23歳である。また、学童期の子どもの疲労に対しての評価方法として、信頼性、妥当性を検討するため評価可能な年齢を対象として、現在国内外で広く一般的に活用されているチャルダー(疲労の評価)、SDS(抑うつの評価)、WISC(知能検査)の検査をおこなった。 チャルダー、SDS、WISCの相関関係を検証するため、各検査の各項目でかけあわせた結果において、相関係数は1%水準で有意(両側)なデータをもとに0.5%以上の対応サンプルについて有意確立を求め相関性の強弱を把握した。 チャルダーとSDSの相関係数を1%水準で有意(両側)なデータをもとに0.5%以上の対応サンプルについて有意確立を求めたところ、7件の相関性を認めた。この結果からWISCとの相関関係を持つ対象者を調べると4件の相関性が認められた。 つまりチャルダーとSDSの数値が高いとWISCの数値が低いという、疲労評価と抑うつ評価が知能検査の結果に対応するという結論が得られた。
|