研究課題/領域番号 |
23601018
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
三宅 孝昭 大阪府立大学, 地域連携研究機構, 准教授 (80244672)
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研究分担者 |
清水 教永 大阪府立大学, 地域連携研究機構, 教授 (30079123)
松浦 義昌 大阪府立大学, 地域連携研究機構, 准教授 (60173796)
坪内 伸司 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (10188617)
田中 良晴 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (60236651)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | s-IgA / 幼児 / 生活習慣 |
研究概要 |
本研究の目的は、幼児の生活習慣を改善することにより、免疫や体温を指標として、健康に及ぼす効果を検証することである。さらに健康的な生活習慣の重要性を保育現場にフィードバックするためには、より多くの子どもの調査測定を行い、詳細な分析を進めることも大切である。そこで、今年度の研究では、生活習慣の改善が必要とされる子どもを抽出するため、これまで研究協力関係にある保育園2園と新たな幼稚園1園に対し、研究協力を依頼し、生活習慣調査及びs-IgA測定、体温、活動量などの測定を2日間行った。幼稚園児43名、保育園児計20名から協力が得られた。その結果、M幼稚園児の生活リズムは、平均起床時刻7時00分、平均就寝時刻21時19分、平均睡眠時間9時間40分であった。7時より前に起床している子、9時よりも前に就寝している子がそれぞれ約半数認められ、起床・就寝時刻は、比較的良好であった。しかしながら、自分で起きるという自律起床ができている子は3割程度しかみられず、睡眠不足の可能性が伺えた。S保育園4歳児の平均起床時刻は6時54分、平均就寝時刻は21時23分、平均睡眠時間は9時間37分であり、K保育園4歳児の平均起床時刻は6時43分、平均就寝時刻は21時42分、平均睡眠時間は9時間05分であった。体温については、どの園においても低体温傾向の園児は認められなかった。1日の平均活動量は、S保育園14216歩、K保育園11702歩であり、一般的な活動量であった。M幼稚園におけるs-IgA/蛋白質濃度の平均値は、就寝時4.0%、起床時17.2%、登園時8.9%、昼食前7.5%、降園時7.1%であった。起床時に有意に最も高い値を示し、他園同様の日内変動が認められた。これらの結果より、生活リズム改善の対象となる子どもは、M幼稚園に5名、S保育園に2名、K保育園に2名認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度、これまでの研究協力関係にある幼稚園1園と保育園2園に協力を依頼したが、幼稚園においては周年行事により、研究に対する協力が得られなかった。そこで、新たに研究に協力が得られる園を探した結果、幼稚園1園から研究への協力を得ることができ、測定を行ったが、予定の対象児数には至らなかった。また、協力が得られた園においても、測定時期を10月~11月頃に予定していたが、園の保育行事により2月~3月の冬季に実施することとなった。そのため、インフルエンザや感染性胃腸炎などの流行の時期と重なり、これらの感染症により欠席する園児もみられ、予定の対象児数に満たなかった。今後は、さらに研究に協力が得られる園を増やして、測定を行う予定であり、現在新たな園と交渉中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究に協力をいただける園をさらに増やし、対象となる園児を増やして調査測定を行っていく予定である。具体的には、今年度、行事により協力が得られなかった幼稚園1園に、再度研究に対する協力を依頼する。さらに、新たな園にも研究協力を依頼する予定であり、現在、新たな園と交渉中である。そして、対象児を増やした上で同様の測定を行い、生活習慣改善が必要とされる園児を抽出し、保護者の同意を得て、測定を行っていく予定である。また、今年度測定を行った結果、生活習慣の改善が必要とされる園児に対しては、保護者に対する詳細な説明を行い、研究に対する理解を求め、同意を得た上で、生活習慣の介入を行い、測定を行っていく予定である。さらに、協力園に対しても、身体活動の増加を誘発する環境や保育内容の設定を依頼し、協力を得た上で、測定を実施し、効果を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該研究費が生じた状況としては、これまで研究協力関係にあった園の行事により、研究に対する協力が得られず、対象となる園が少なくなり、それにより研究対象となる園児も予定よりも少なくなり、それら対象園児の測定、分析に対する研究費が生じなかったことが主たる理由である。また、協力が得られた園における測定に関しても、2月~3月という時期であったことから、保育園2園の対象児から得られた唾液のs-IgA分析に関して、まだ分析ができておらず、それに対する費用も発生しなかった。したがって、次年度は、新たに対象児を増やすことにより、それら対象児の測定及び分析に関する研究費(物品費、旅費、人件費等)が必要となる。さらに、生活習慣の改善の必要性が認められる園児に対して、保護者の同意、協力を得て介入することとなるが、生活改善の介入に対しては、保護者の負担も大きいことから、研究協力に対する謝金が必要となる。
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