• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

幼児のs-IgA及び体温からみた生活習慣改善効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23601018
研究機関大阪府立大学

研究代表者

三宅 孝昭  大阪府立大学, 地域連携研究機構, 准教授 (80244672)

研究分担者 清水 教永  大阪府立大学, 地域連携研究機構, 教授 (30079123)
松浦 義昌  大阪府立大学, 地域連携研究機構, 准教授 (60173796)
坪内 伸司  大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (10188617)
田中 良晴  大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (60236651)
キーワードs-IgA / 幼児 / 生活習慣
研究概要

今年度は、昨年度の結果から対象児を抽出し、生活習慣改善後の変化を検討する予定であったが、昨年度に測定を行った幼稚園及び保育園のうち、2園は諸事情で測定できなかったため、1保育園を対象として測定を行った。保育園と協議の上、教育的配慮から5歳児全員を対象として保護者に協力を依頼し、承諾が得られた13名を対象とした。対象児に対して、質問紙による生活調査を行い、生活習慣改善介入前後の2日間、s-IgA及び体温、身体活動量を測定するとともに起床、就寝時刻を記録した。生活習慣改善介入期間は6日間で、保護者には20時就寝、7時起床という睡眠覚醒リズムを励行してもらうように依頼した。
生活調査による対象児の平均起床時刻は7時2分で、平均就寝時刻は21時22分であった。7時30分以降起床の幼児が3名、21時以降就寝の幼児は11名おり、そのうち3名は22時以降であった。生活記録では、介入前の平均起床時刻は6時51分、平均就寝時刻は21時40分で、介入後の平均起床時刻は6時57分、平均就寝時刻は21時03分となり、規定通りではなかったが、生活習慣の改善はみられた。介入前後で、就寝時刻が早くなった幼児は8名おり、その中で明らかな改善がみられた幼児は4名であった。
体温について、介入前の平均起床時体温は36.3度、平均就寝時体温は36.4度、介入後の平均起床時体温は36.4度、平均就寝時体温は36.4度で有意な差はなかった。生活習慣改善と体温を照らし合わせたところ、介入前後で起床時体温が有意に上昇を示した幼児が2名みられた。
測定期間中の1日の平均身体活動量は16313歩で、毎日10000歩以上、概ね15000歩前後の活動量となっており、身体活動量は確保されていた。
なお、s-IgA については、測定を3月に実施したため、現在分析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度は、これまで研究協力関係にある2つの保育園と新たな1幼稚園に研究協力を依頼し、調査測定を行い、生活習慣改善の対象となる幼児を抽出した。
今年度は、昨年度の調査測定において抽出された幼児に対し、保育現場及び保護者の協力を得た上で、日常生活の中で、生活習慣改善の介入を行い、介入後の変化を検討する予定であったが、昨年度調査測定を行った3園のうち、2園は諸事情により測定できなかった。そこで、K保育園の2名が生活習慣改善対象児であったが、保育園との協議の上で、教育的配慮から在園する5歳児14名全員を対象として、保護者に協力依頼を行い、保護者の承諾が得られた13名に対して、介入研究を行った。
しかしながら、承諾が得られた幼児の中には、昨年度の調査測定結果を報告したことにより、保護者が早寝早起きの規則正しい生活習慣の重要性を認識し、生活習慣を改善したことにより、良好な生活習慣を保持し、生活習慣改善の介入を要しない幼児もみられた。また、研究承諾が得られた保護者に対しては、個々に研究内容及び意義、依頼する測定内容について、文書を提示した上で直接口頭で説明し、再度承諾を得ていたが、実際には、仕事に就いている保護者が子育てをしている状況の中で、家庭生活に介入して生活習慣を改善するということが難しく、起床・就寝時刻記録より生活習慣改善の努力はみられるが、明らかな生活習慣改善が認められる幼児は4名しかいなかった。
これらのことより、本研究に対する理解と承諾を得ることはできても、実際に対象児の生活に介入して、生活習慣を改善していくことが難しく、分析対象となる幼児が少ない結果となった。

今後の研究の推進方策

今後は、3月に測定した対象児のs-IgAの分析を進めるとともに、さらに対象となる幼児を増やして調査測定を行っていく予定である。具体的には、これまで研究協力関係にあったが、昨年度及び今年度、諸事情により調査測定ができなかった幼稚園及び保育園に対し、再度、研究協力に対する依頼を行い、対象となる幼児を増やしていく予定である。また、昨年度、新たに依頼した幼稚園においては、生活調査、s-IgA測定、体温測定、歩数測定、睡眠覚醒リズム記録など、調査測定項目が多く、負担であったため、今後に新たに依頼する園に対しては、まず質問紙による生活調査のみを行い、その結果から、生活習慣改善の対象となる幼児を抽出し、その抽出された幼児に対してのみ、良好な生活習慣の重要性を説明し、理解を得た上で、s-IgAや体温、身体活動量などの測定を実施するという、段階的に依頼する方法で研究を進める予定である。
また、今年度測定を行った保育園においては、研究協力に対する良好な関係も築けており、調査測定の目的、内容、方法についても理解を得ているため、新学年に対しても研究協力を依頼し、新たな園同様に、段階的に調査測定を依頼し、分析対象となる幼児を増やしていきたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

当該研究費が生じた状況としては、予定していた研究協力園の調査測定が諸事情により実施できず、対象児が少なくなったことが主たる理由である。また、3月に行ったK保育園のs-IgA測定についても、まだ分析できておらず、それらの分析に要する試薬や分析用具に対する費用も発生しなかった。
したがって、次年度は、新たに対象児を増やす予定で、それら対象児の測定及び分析に関する研究費(物品費、旅費等)が必要となる。また、生活調査の結果、生活習慣改善の必要性が認められる対象児に対しては、保護者の理解と協力を得て、生活習慣の改善に介入することとなるが、今年度の経験から、生活習慣改善の介入に対しては保護者の負担も大きく、保護者の理解と協力、承諾を得るためには、研究協力に対する謝金が必要となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 寒冷地域における幼児の生活状況について-新潟県の認定こども園を事例として-2013

    • 著者名/発表者名
      三宅孝昭
    • 学会等名
      日本幼少児健康教育学会第31回大会[春季:大和大会]
    • 発表場所
      聖セシリア女子短期大学
    • 年月日
      20130323-20130324
  • [学会発表] 幼児の分泌型免疫グロブリンA(s-IgA)の日内変動-寒冷地域における検討-2013

    • 著者名/発表者名
      三宅孝昭、田中良晴、松浦義昌
    • 学会等名
      日本発育発達学会第11回大会
    • 発表場所
      静岡産業大学
    • 年月日
      20130316-20130317

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi