| 研究課題/領域番号 |
23601023
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| 研究機関 | 創価大学 |
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研究代表者 |
佐々木 諭 創価大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70463974)
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| 研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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| キーワード | 地理情報システム / 小児保健 |
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| 研究概要 |
本研究は、ザンビア国ルサカ市を調査地域とし、ザンビア国保健省、ルサカ市で保健活動を実施しているAMDA(本邦NGO)と連携し、最適配置に基づいた保健サービスの提供により、乳幼児（5歳未満児）の罹患率と死亡率の減少を目指す。最適配置手法は、従来の移動距離に基づくネットワーク分析に加え、パーソントリップ分析により、養育者の移動と滞在に基づく頻度マップを作成し、養育者のアクセスに妥当な距離範囲内にあり、居住地のみならず移動範囲からもアクセスの良い最適配置を特定するモデルを構築する。最適配置によるコミュニティ保健活動の効果は、コントロール群（任意の地点での保健サービス介入）と介入群（最適地点での保健サービス介入）における介入前後のサーベイランス調査により、養育者の行動様式の変化、乳幼児の疾病ならびに死亡率の変化、サービス受益人口数の変化に関し統計的有意差により検定する。 当該年度計画は、研究基礎データとして、調査対象地域の乳幼児の登録データの作成とコントロール群も含めたベースライン・サーベイ調査を実施する。また衛星画像と現地調査より基盤地図を作成する。ネットワークデータを用い医療サービスへのアクセス分析に着手することを定めた。 当該年度の8月と2月に研究対象地域を訪問し、チプルクスヘルスセンター管轄地域を介入地域、ンクワジヘルスセンター管轄地域をコントロール地域と定めた。8月の調査訪問に先立ち、該当地域の衛星画像を購入し、両地域のベースライン地図を作製した。両地域のベースラインサーベイとして、新生児のコホート調査を実施し、2011年1月～5月に出生した新生児の全登録を行い、6カ月～11ヵ月児までの疾病罹患状況について分析を行った。あわせて、全登録申請児をGPS（Global Positioning System)を用い、地理座標を測位し、ベースマップに記載し分析を試みた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度計画として、研究基礎データとしての調査対象地域の乳幼児の登録データの作成とコントロール群も含めたベースライン・サーベイ調査を実施、ならびにまた衛星画像と現地調査より基盤地図を作成、ネットワークデータを用い医療サービスへのアクセス分析に着手することを定めた。 計画に基づき、当該年度に2回にわたり研究対象地域への調査訪問を実施し、介入地域とコントロール地域を定め、両地域のベースライン地図を作製を完了した。また、両地域のベースラインサーベイ･コホート調査を実施し、6カ月～11ヵ月児までの疾病罹患状況について分析を行った。あわせて、対象新生児の地理座標を測位し、ベースマップ上にデジタル化し、罹患、死亡事例の地理的集積性の分析を試みており、当初の計画に則し、概ね順調に進捗していると判断する。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の研究方途は、年度内に2回調査対象地域を訪問し、最適配置による保健サービスを実施し、介入12ヵ月後にフォローアップ調査を実施し、乳幼児の罹患率、死亡率等を調査する。具体的には以下のとおりである。１．基盤地図の道路・歩道データを用い、移動速度に関する情報を加えたネットワークデータベースを構築する。乳幼児の世帯から、直近の医療施設または保健医療サービスの地点までの移動距離を、GISソフトのネットワーク分析（Network Analyst, ESRI社）を使用して算出する。２. 調査対象地域を100メール四方に区切り、各区画の重心からサンプル世帯までの距離をネットワーク分析を用いて測定する。各区画に対し、遺伝的アルゴリズムを用いて任意数の最適配置を特定する。３． 調査地域において体重測定、保健教育、予防接種、栄養カウンセリング、微量栄養素補給の保健サービスを実施する。提供されるサービスの手法と質は均質となるようにする。介入実施12ヵ月後にコントロール群と介入群の登録世帯の乳幼児の疾病履歴、医療施設への受診、死亡等の記録を調査する。４. 介入調査の結果から、コントロール群と介入群との間に、介入後12ヵ月の養育者の医療希求行動、乳幼児の罹患率と死亡率において有意差があるか検証する。また、ベースライン調査の同期間の改善率に有意差があるか検討する。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、物品費として、GIS地図印刷用のカラープロッターのカートリッジ等の消耗品、研究打ち合わせのための国内旅費、英文論文執筆のための校正費の使用を予定している。
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