研究課題/領域番号 |
23601026
|
研究機関 | 京都文教大学 |
研究代表者 |
長野 真弓 京都文教大学, 臨床心理学部, 准教授 (10237547)
|
研究分担者 |
熊谷 秋三 九州大学, 基幹教育院, 教授 (80145193)
足立 稔 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70271054)
島田 香 京都文教大学, 臨床心理学部, 講師 (60583333)
|
キーワード | 体力 / 身体活動量 / メンタルヘルス / 子ども |
研究概要 |
本研究課題では、児童の体力、加速度計により定量化された身体活動(不活動)量とメンタルヘルスとの関連性を横断的に調査し、子どもの健全な心身の発育発達、ならびに学力向上のための基礎資料を得るために実施された。 平成23年度は地方都市郊外公立、24年度は都市部私立の児童を対象に、体力とメンタルヘルスとの関連を検討し、いずれも体力が低いほど有意に無力感(意欲の低さ)が高く、欠席日数が多い現象を認めた。 最終年度にあたる平成25年度では、社会的背景が異なる上記2校に通う児童(249名)とその保護者を対象とし、両校児童の特性比較を行うとともに、社会的背景の違いを考慮しても、体力・身体活動量(不活動量)とメンタルヘルス、および年間欠席日数との間に関連性が認められるか検討した。結果として、A校とB校では、前者のメンタルヘルスが極めて低く、保護者にも好ましくない生活習慣・養育意識が認められた。さらに、学校種別・生活習慣など、両校児童の背景の違いを統計的に調整しても、抑うつ・不安症状保有には、身体不活動時間が長いことが独立して関連し、無力感(意欲の欠如)・欠席日数には、体力が低いことが独立して関連していることを明らかにした。その他、ストレス対処能力(Sense of coherence:SOC)を調べたサブグループにおいて、体力、SOC、学業ストレッサー、および欠席日数との間に相互関連性を見い出し、近年報告されている学業成績と体力との関連の背景には、低体力と強く関連する欠席が、学業の理解を妨げるという1つの経路が存在する可能性を明らかにした。上記の成果は、関連学会にて公表され、論文化を進めている。 現在、3軸加速度計により計測・定量化された身体活動量とメンタルヘルスとの関連について解析を進めており、成果を次年度の学会にて公表する予定である。
|