研究課題/領域番号 |
23601029
|
研究機関 | 常磐会短期大学 |
研究代表者 |
新谷 公朗 常磐会短期大学, その他部局等, 教授 (30340871)
|
研究分担者 |
糠野 亜紀 常磐会短期大学, その他部局等, 准教授 (60342268)
平野 真紀 常磐会短期大学, その他部局等, 教授 (70342201)
荘司 泰弘 常磐会学園大学, 教育学部, 教授 (80154342)
|
キーワード | PDCAサイクル / 発達記録 / 観察項目 / 評価基準 / タブレットPC |
研究概要 |
本研究の課題は、1)多様な子どもの特性を理解するための観察記録の項目と評価基準、2)観察記録の分析から指導案の作成へのブリッジ・マネジメント手法、3)上記2 点ついて検証し、保育におけるPDCA サイクルの方法論を明らかにすることにある。 その具体的な方法として、1. 幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした観察視点の作成と記録作成の支援、2. 観察記録を基にした「保育計画」、「保育実践」への支援、3. 保育者の振返りと改善をつなぐ手法の確立、4. 子ども情報を共有するための総合的な枠組みの構築を目指している。 24年度は、1. 幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした観察視点の作成と記録作成の支援について、WEB上で入力した、子どもの観察記録をサーバに蓄積するためのアプリの開発に着手した。データエントリー用のWEBページを開発し、現場の保育者を対象としたヒアリングを実施した。 また、23年度から継続して、1. 幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした観察視点の作成と記録作成の支援、2. 観察記録を基にした「保育計画」、「保育実践」への支援、について研究を進め、全国保育士養成協議会第51回研究大会、教育心理学会第54回総会、PECERA'12 (Pacific Early Childhood Education Research Association, 13th Annual Conference)等において、研究成果を報告し、研究課題について議論を深めた。 当初の研究計画では、今年度に3. 保育者の振返りと改善をつなぐ手法の確立について、検討を進め方法を提案する予定であったが、初年度の計画の遅れもあり、予定よりも進捗が遅れている。これに伴って、WEBアプリの開発についても、記録の提示部分の開発が予定よりも遅れていたが、25年度の前半には、プロトタイプが完成予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
24年度は、(1)幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした観察視点の作成と記録作成の支援(担当:糠野)と(2)幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした保育計画・環境構成の支援(担当:荘司・平野)について、平成23年度の研究計画の遅れにより、(1)観察視点と観察基準の精査、(2)保育計画および実践内容を評価するための視点と評価の作成が当初の計画より遅れが生じている。しかし、(1)、(2)とも現場でのヒアリング等を実施し、実証実験に向けて準備を進め、予備実験を実施することができたが、全体の進捗状況としては、やや遅れが生じている。 また、WEBブラウザを用いた観察記録、分析結果の閲覧、保育計画の立案が行えるアプリケーションの開発については、当初の予定より検討を進めることができたが、「評価(Check)」で集積されたデータを次の計画に有効に活かす手法とそのために必要な資料をどのように提示するかについての検討が、上述した理由等により遅れが生じていることから、捗っていない。 しかし、25年度の前半には、WEBアプリのプロトタイプが完成の予定である。このプロトタイプを用いて現場の実証実験を実施する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
25 年度は本研究の最終年度である。そのため、24年度の研究の遅れを早い時期に取戻すことに全力を注ぐ。(1) 幼稚園教育要領・保育所保育指針を基にした観察視点の作成と記録作成の支援、(2) 観察記録を基にした「保育計画」、「保育実践」への支援、(3) 保育者の振返りと改善をつなぐ手法の検討により得られた知見をWEBアプリケーションに実装する作業を早急に進める。 更に、本年度の計画である、提案手法を用いたPDCA サイクルを複数の保育現場に導入し、検証を行い精査する。また、幼稚園・保育所の協力を得て、保育相談(担当、平野、荘司)、発達相談(糠野)を情報を活用して実施し可能性を検討する。 上記の作業を進め、本研究のまとめを行う。研究の成果については、発達心理学会、保育学会、PECERA'13 (Pacific Early Childhood Education Research Association, 14th Annual Conference)等で発表する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
PDCAサイクルの流れに沿った、観察記録、分析結果の閲覧、保育計画の立案が行えるWEBブラウザを用いたアプリケーションの開発費用として30万円を予定している。また、データの集積・分析用のサーバとして30万円、前年度に予定していたデータエントリ ー用タブレットPCの費用として20万円を予定している。 研究成果の発表を国内の発達心理学会、保育学会で予定している。また、PECERA2012(開催地、韓国)での発表を予定している。
|