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2012 年度 実施状況報告書

被検者への負担が少ないPET入力関数測定法確立に向けての物理的障害要因の克服

研究課題

研究課題/領域番号 23602001
研究機関北海道大学

研究代表者

久保 直樹  北海道大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (80241389)

研究分担者 志賀 哲  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80374495)
キーワード入力関数 / ファントム / PET
研究概要

PET(ポジトロン放出断層撮影)は脳に関しても保険適応されている.O-15酸素ガスによる脳血流量測定,酸素摂取率などが測定できる.しかしこれには正確な入力関数つまり動脈血中の放射能濃度を測定することが必要となる.またF-18 FDGによる脳ブドウ糖代謝測定を検査することもできるが,これにおいて入力関数が測定できた場合は生理学的情報の絶対値測定となるため保険適応のてんかんのみならずアルツハイマー認知症の早期診断への期待が大きくなる.しかしながらPETの際,入力関数を測定している施設は決して多くはない.理由は動脈採血を行わなければならないからである.そこで動脈採血を行わなくても入力関数が測定できる撮像・処理方法を確立することを目的として,脳PETの際同時に撮像されている内頚動脈の時間放射能曲線から入力関数を推定する方法を実用化する.しかしPET撮像からの入力関数は,真の濃度から掛け離れていることが多い.そこでファントム実験を行い,入力関数測定の精度を劣化させる物理的障害要因を確認する.今回,物理的障害要因を確認するためのファントムを作製することに成功した.これはファントムの構造が,入力関数つまり投与後直後からの内頚動脈における時間放射能曲線の形を示すように設計されている.このファントムに3.0 MBq/ccの放射能濃度のF-18を封入した.そしてこのファントムをPET/CT装置SIEMENS Biographにて撮像した.撮像条件は3分収集であった.ピクセルサイズは4.1×4.1 mm,スライス厚は2.0 mmであった.測定されたファントム画像のプロファイルカーブは臨床における入力関数の形を的確に模していた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定どおり,PETにおける入力関数(投与後直後からの内頚動脈における時間放射能曲線)の形を示すファントムの作製に成功したからである.

今後の研究の推進方策

入力関数(投与後直後からの内頚動脈における時間放射能曲線)の形を示すファントムを使用して,補正法の確立を目指す.ファントム実験を行い,入力関数測定の精度を劣化させる物理的障害要因を個別に把握する.検討項目は,再構成方法と部分容積効果の関係,フレーム時間および入力関数の形と時間方向のなまりの関係,装置の感度と入力関数のばらつき(変動)の関係などである.

次年度の研究費の使用計画

ファントム実験に関する消耗品が必要となる.また収集されたデータのバックアップ用媒体も必要となる.そしてまた,成果発表や資料収集をおこなうために旅費を使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] A phantom study of repeatability of an intratumoral inhomogeneity index in FDG-PET2012

    • 著者名/発表者名
      Kubo N, Iwahashi H, Yakabe R, Kuge Y
    • 学会等名
      Annual Congress of the European Association of Nuclear Medicine 2012
    • 発表場所
      Milano Congressi, Milan, Italy
    • 年月日
      20121028-20121028
  • [学会発表] Medical Image Reconstruction: Concepts and Methods2012

    • 著者名/発表者名
      Kubo N
    • 学会等名
      2012 CIS Workshop  -Imaging and Applications in Isotope Sciences-
    • 発表場所
      Hokkaido University, Sapporo, Japan
    • 年月日
      20120522-20120522
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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