研究課題/領域番号 |
23602004
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐井 篤儀 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50178464)
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研究分担者 |
李 鎔範 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10334658)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 医用画像工学 / 画像評価 / 相互情報量 / 医用放射線情報学 |
研究概要 |
本研究は,画質の物理特性の中で特に重要な位置づけである解像特性とノイズ特性のtrade off(トレードオフ)の関係について定量的に解明すると共に両特性の画質へのそれぞれの寄与率を定量的に明らかにし,更に相互情報量を異なるモダリティ画像の画質評価へと展開し,この相互情報量による医療用画像の総合的画質評価法を確立することが目的である.我々は今年度,研究・実験を通じて次のことを明らかにした: (1)いままでまだいくつか未解明のトレードオフの詳細について、再実験・追加検討を行うことで,相互情報量は,異なるモダリティ画像に対する評価も可能であることを確認できた. (2)相互情報量によるディジタルマンモ画像の画質評価実験の方法の開発とその有効性を行い、その有効性を確認できた.また,シミュレーション及びファントム実験から,画像コントラストが一定の場合の解像特性とノイズ特性の総合画質へ寄与率を定量的に明らかにできた. (4)相互情報量による画質評価法を,ノイズ低減策としてウェーブレットしきい値処理を施したマンモ画像に応用し,最適な画質改善をもたらすウェーブレット基底関数の選択手法について研究を行い,相互情報量による画質の評価の有効性を確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,画質の物理特性の中で特に重要な位置づけである解像特性とノイズ特性のtrade off(トレードオフ)の関係について定量的に解明すると共に両特性の画質へのそれぞれの寄与率を定量的に明らかにし,更に相互情報量を異なるモダリティ画像の画質評価へと展開し,この相互情報量による医療用画像の総合的画質評価法を確立することが目的である. 現在までのところ,おおむね順調に進展している.平成23年7月に札幌で開けれた電子情報通信学会・医用画像部会の研究会で、「離散定常ウェーブレット変換の展開係数の階層的相関関係を利用したマンモグラムのノイズ低減」について発表を行った. 発表内容から、以下の結論を得ることができた:相互情報量による画質評価法を,ノイズ低減策としてウェーブレットしきい値処理を施したマンモ画像に応用し,最適な画質改善をもたらすウェーブレット基底関数の選択手法について研究し,相互情報量による総合的画質評価の有効性を確認できた.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究計画・方法:(1)検出量子効率(DQE)の測度に対する相互情報量による評価法の優位性の確認. DQE(Detective Quanta Efficiency)を求めるためには,MTF(modulation transfer function),NPS(noise power spectra),入射X線光子数などの精度の高い測定と煩雑な計算が必要となる.本研究項目では,DQEによる評価結果と,相互情報量による評価法を用いる評価結果との比較検討を行い,相互情報量による評価法の優位性を明らかにする.(2)相互情報量を異なるモダリティ画像の画質評価への応用展開の有効性の解析. 相互情報量によるDR画像の画質評価実験の方法の開発とその有効性の確認を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
・次年度は,当初計画どおりに研究費を使用する予定.50万以上の物品購入は無い.・2回の国際会議に出席し成果発表を行うための旅費 (1)H24年5月,2012 World Congress Medical Physics and Biomedical Engineering, Beijing, China. (2)H24年9月, XX IMEKO World Congress in Busan, Korea.・3回の国内学会に出席し成果発表を行うための旅費・物品費 30万円及び英文論文の英語校正費用の支出
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