• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

非平衡プラズマを利用したバイオマス由来軽質石油代替材料の選択的合成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23603001
研究機関北海道大学

研究代表者

伊東 弘行  北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30372270)

キーワードバイオマス / 非平衡プラズマ / 熱分解 / 液体燃料 / 選択的合成
研究概要

本研究は、熱分解に非平衡プラズマを用いることで利用価値の高い軽質タールを選択的に高収率で得る手法の実現を目指し、バイオマスの熱分解過程に非平衡プラズマを供給した際の炉内温度とプラズマ性状の合成液体炭化水素性状への影響を調べ、非平衡プラズマの作用メカニズムを明らかにすることを目的としている。
昨年度の結果では、試料を加熱する際に室温からアルゴン非平衡プラズマを供給した結果、ガスおよび軽質タール収率は減少し重質タールが増加した。この結果はアルゴン非平衡プラズマの供給が熱分解生成物の重質化を進めているように見られるが、低温で非平衡プラズマを供給することによりセルロースの熱分解が促進され、生成された熱分解ガスが低温の炉壁で凝縮して液相で重合が進行した結果であると予想された。本年度はまずこの仮説を検証するべく、セルロースの主要熱分解成分であるレボグルコサンの沸点より高い300℃からアルゴン非平衡プラズマを供給した。その結果、アルゴン非平衡プラズマの供給により、レボグルコサン収率が減少する一方でフルフラール収率は増加し、熱分解物の低分子化が促進されていることが確認された。また実施計画の通りセルロース熱分解に水素プラズマを供給し、熱分解生成物への影響を調べた。その結果、水素非平衡プラズマの供給により、セルロース熱分解から得られるレボグルコサンの分解が抑制されることがわかった。また水素非平衡プラズマの供給により、CO,CO2収率は減少し、その他ガス成分が増加することがわかった。これらの結果から、水素非平衡プラズマの供給がガスの生成反応に作用し、さらにレボグルコサンの分解反応に影響を与えることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度の結果から、非平衡プラズマにより低温におけるセルロース熱分解の促進が示唆され、それによる生成タールの重合・重質化が示唆された。この仮説を検証する実験を行った。この仮説検証実験、および水素非平衡プラズマ、およびアルゴン-水素非平衡混合プラズマの影響を調べることが出来た。セルロース熱分解生成物(気相)への非平衡プラズマの効果を分離して観察する2段式加熱炉の実験を準備したが、実験開始直前に反応ガラス管の破損のため実験を実施できなかった。原因に対する対策を施し復旧済のため、次年度に実施予定である。

今後の研究の推進方策

2段反応合成装置を用いたセルロース熱分解生成物へのアルゴンおよび水素非平衡プラズマの影響を調べる。セルロースの単段熱分解反応において、炭素源を有する非平衡プラズマ(C2H4のプラズマ等)を供給することによる、熱分解生成物収率および組成への影響を調べる。また、これまでの研究から、アルゴン非平衡プラズマを用いることによりセルロース熱分解の低温化が示唆されたが、これを確認するため低温熱分解におけるアルゴン非平衡プラズマ供給の有無による各成分収率および組成の比較を行う。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] セルロース熱分解に対する非平衡プラズマ供給による生成物組成への影響2013

    • 著者名/発表者名
      遠藤翔太
    • 学会等名
      日本機械学会北海道学生会 卒業研究発表講演会
    • 発表場所
      旭川ときわ市民ホール(旭川市)
    • 年月日
      20130309-20130309
  • [学会発表] セルロース熱分解における非平衡Arプラズマ供給の影響2012

    • 著者名/発表者名
      伊東弘行
    • 学会等名
      熱工学カンファレンス2012
    • 発表場所
      熊本大学(熊本市)
    • 年月日
      20121117-20121118

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi