研究課題/領域番号 |
23610001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
朴 賢淑 東北大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (10466518)
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キーワード | 就労支援 / 女性の社会参加 |
研究概要 |
24年度は下記の団体を中心に研究調査を進めた。 ①Organization YORI(オーガニゼーション料理):「食育・食農の視点」や「職業訓練をとおした外国人女性の仕事創出」→「商品開発」の側面を取り入れた試みがみられる。 ②青洲女性人権センター:多国籍料理カフェを運営し、外国人女性の労働力と才能を生かした職場づくりを行っている。③「チャカン旅行社」:農村地域に嫁いできた外国人女性たちにエコツーリズムのガイドとしての職業訓練を行う。農村地域社会でなじめず行き場のない女性たちに仕事づくりと仲間づくりを支援する。④大田国際結婚移住女性センター:韓国社会のニーズに応じた、PC教室、通訳・翻訳コースプログラムを取り入れた職業訓練を行っている。一方,上記の団体に関わっているスタッフ、職業訓練への参加者について調査を行った。 なお,上記の調査を進めるにあたって,23年度の調査で得たデータを有効に活かしつつ、市民事業の中で行われている職業訓練に焦点を当てながら、インタビュー調査および参与観察をとおした調査を行った。その結果,韓国での職業訓練の特徴について次の3点にまとめることができる。①結婚移民女性が本国で身に付けていた技術を生かすことにつながる職業訓練の可能性を持っていること,②当事者のニーズに合わせた職業訓練であること、③韓国社会のニーズに合わせた職業訓練を行っていた。こうした韓国における試みは,日本における職業訓練の在り方について大いに参考になるともに、結婚移民女性の経済的自立に繋がるものとして考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先方の研究者との研究交流会をとおした情報交換を行っており,こうした研究会で得られた情報に基づき,現地調査や文献収集を行っていることから研究を進めやすい環境である。
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今後の研究の推進方策 |
25年度には、(1)韓国の外国人に対する政策の動向及び特質に関する調査、(2)韓国における国際結婚女性労働者への支援団体調査、(3)韓国における国際結婚女性に対する職業訓練の取り組みに関する調査それぞれに関して詳しい分析とともにまとめを行う。 分析の際には、職業訓練の先進地であるオランダおよびデンマークの外国人女性への職業訓練への取り組みに関する文献調査結果も踏まえながら、アジア的多文化共生社会を目指した職業訓練システム作りを試みるとともに、こうした研究成果は関連学会等において報告する。
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次年度の研究費の使用計画 |
資料収集及びインタビュー調査旅費:1回分(25万円程度×1回) 成果発表旅費:2回分(10万円程度×1回、20万円程度×1回) 外国人・国際結婚関連図書(15冊×2千)、女性問題・労働関係図書(15冊×3千) 資料ファイル(25千)、研究補助(資料作成・集計作業)(200千) 印刷費(150千)
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