研究課題/領域番号 |
23610009
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
宮本 要太郎 関西大学, 文学部, 教授 (10312779)
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研究分担者 |
稲場 圭信 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (30362750)
金子 昭 天理大学, おやさと研究所, 教授 (90214452)
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キーワード | 無縁社会 / 宗教の社会貢献 / 支縁のまちネットワーク / ライフストーリー |
研究概要 |
本研究の主たる目標は、今日の日本社会において宗教者や宗教団体などによって実際に行われている社会活動の実態を把握し、その背後に働いている動機や理念を明らかにすること、これらの活動に参画している人々が抱えているジレンマを明確にしつつ、それらをどのように克服してきたかを跡付けること、そして、社会活動を行っている宗教者たちを個別に取り上げるだけでなく、現場の宗教者たちの間の、さらに宗教者以外の団体や地域住民などの間の、信頼関係に基づくネットワーク構築の可能性を探ることである。平成24年度は、平成23年度に実施した、釜ヶ崎(大阪市西成区)や東日本大震災の被災地において活動を展開する宗教者たちからの聞き取りを継続し、主に釜ヶ崎を中心に、平安な生活から疎外された人々に寄り添い、連帯し、共生しようと続けられている活動の実態を調査するとともに、彼らのライフストーリーにおける信仰と社会活動の有機的連関を描き出そうと努めた。 具体的には、浪速教会・愛の家の金鐘賢牧師、聖フランシスコ会・ふるさとの家の本田哲郎神父、喜望の家の園田克也氏、同和問題にとりくむ大阪宗教者連絡会議・事務局長の北浦徳次氏らに対してインタビューを実施した。また、平成24年8・9月には台湾・慈済大学において、中央研究院民族学研究所や慈済大学などの研究者と合同で、日台学術交流研究会を開催し、宮本、村島、稲場、中西、白波瀬、渡辺が研究報告を行なって現地の研究者と意見交換するとともに、「原住民」に対する支援などについても実態を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究テーマに関して台湾の研究者と合同で学術交流研究会を開催して、研究成果の一部を発表するとともに意見交換を実施した。また、日本宗教学会、日本社会学会を始め、学会やシンポジウム等において、口頭での研究報告も積極的に行なった。 それに対し、宗教者からの聞き取り調査は、平成24年の7月(浪速教会愛の家・金鐘賢牧師)、9月(社会福祉法人ふるさとの家・本田哲郎神父)、10月(釜ヶ崎ディアコニアセンター・園田克也氏)、および平成25年の3月(大阪府「同和問題」にとりくむ宗教教団連帯会議・北浦徳次事務局長)に、計4回実施したが、回数としては予定を下回った。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、釜ヶ崎において貧困問題と取り組んでいる(ないし取り組んでいた)宗教者からのインタビューを実施する。特に、天理教およびキリスト教教会関係者を中心にライフストーリーの聞き取りを行なう。 研究成果をまとめて、日本宗教学会第72回学術大会(平成25年9月6日~8日・國學院大學)のパネル発表(タイトル:「無縁社会」における宗教の可能性について―釜ヶ崎から見えてくる問題と課題―)において報告する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、日台学術交流研究会を実施したが、その謝金として見込んでいた経費が予想を下回ったことなどの理由により、149,034円の繰越金が発生した。 次年度は、主にインタビュー調査協力者への謝礼として使用し、余裕があれば学会発表のための旅費に充当する。
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