研究課題/領域番号 |
23611006
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
前川 仁 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30135660)
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研究分担者 |
子安 大士 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (60431730)
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キーワード | 拡張現実 / コンピュータビジョン / 自己位置推定 / 画像の特徴量 |
研究概要 |
1.関連研究の調査:前年度に引き続き国内外の関連学会を中心に調査した(IEEE Computer Society Trans. Pattern Analysis and Machine Intelligence, 電子情報通信学会、日本ロボット学会、その他)。 2.シーンの特徴記述子に関する調査:提案されている様々な画像特徴の評価法に関して、従来あまり取り上げられなかった「隠れ」(オクルージョン)を含む見え方の変化に対する頑健性の評価法を提案した(第11回情報科学技術フォーラム FIT2012)。 3.拡張現実感の描画に関する研究:実シーン画像に仮想物体を重畳描画する際の人工的な陰影付けについて、奥行センサーカメラ(RGB-Dカメラ)を用いた平面・影検出による実シーンの光源推定法について検討し報告した(精密工学会 画像応用技術専門委員会, サマーセミナー2012)。 4.モバイルデバイスの自己位置推定に関する研究:カメラからの視覚情報と加速度センサを統合してモバイルデバイスの自己位置と姿勢を推定する手法について検討し報告した(ロボティクス・メカトロニクス講演会 ROBOMEC 2012)。 5.ソフトウェア開発環境の整備:モバイルデバイスの実機としてアンドロイド(Android)タブレットPCを購入し、支援PCの開発環境を整備した上で、実シーン映像への仮想物体の描画を行なった(学部卒業論文、外部発表準備中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の基礎理論のひとつである「シーンの特徴記述子に関する調査」については、従来あまり取り上げられなかったシーンに生じる隠れ(オクルージョン)を含む見え方の変化に対して、従来からの様々な画像特徴の頑健性の評価法を提案している。 また、拡張現実システムの中核を成す「拡張現実感の描画法」については、実シーンに呈示する仮想オブジェクトを実シーンに適切に融合するための「影つけ」と、その為の「光源推定」について研究を進め、RGB-Dカメラによるシーンの平面推定を用いた基本アルゴリズムを提案した。 さらに、拡張現実システムをその上で実現するために必要な「モバイルデバイスの位置姿勢推定」については、ロボティクスにおける自己位置推定手法を応用し、カメラからの画像情報とデバイスの加速度センサの情報を融合した手法を開発した。 一方、これらを実システムとして統合するための「ソフトウェア開発環境の整備」については、進展した部分と遅れている部分の両要素がある。昨年度に報告したiOS(iPhone,iPadなどアップル社のモバイルデバイスを対象としたOS)の開発環境については、あまり進展がない。これに対して、基本的にオープンソースであるアンドロイド端末については、一定の開発ができている。以上を総合して「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
前述のように、本研究の理論的な骨格部分はほぼ構成できているので、最終年度はそれぞれの完成度を高めていく。特徴記述子の実シーンでの評価、光源推定法の様々なシーンでの検証、自己位置姿勢推定アルゴリズムにおける精度向上などが、これに含まれる。 また、これらの要素を統合してモバイルデバイス上に実装し、検証実験をする必要がある。ここには技術的な課題があるので、専門技術の導入を図るなどの方策を講じることも考慮していく。 なお、関連研究の継続的な調査は、関連技術動向の調査も含めて、引続き重要である。 本研究組織のメンバーの専門領域であるロボティクス及びコンピュータビジョンについての調査に加えて、コンピュータグラフィクス(CG)分野からの拡張現実関連研究について調査する必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の使用計画について、当初要求及び昨年度の報告からの大きな変更は無い。 但し、昨年度の報告でも述べたように、対象とするモバイルデバイスは、当初想定していた一アップル社に限定するのでなく、アンドロイド端末に拡張していく必要がある。 一方、センサとして使えるハードウェアも高機能・高性能化している。たとえば、奥行情報を簡易に獲得できるRGB-Dカメラの高性能化・小型化はそのひとつであり、物品費で対応していきたい。 なお、モバイルデバイスへの実装技術については、時間的に可能であれば専門技術の導入も検討したい。
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