研究課題/領域番号 |
23611008
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
寺内 文雄 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30261887)
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研究分担者 |
久保 光徳 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60214996)
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キーワード | 操作感 / 押しボタンスイッチ / クリック感 / メカニカルスイッチ / メタルドームスイッチ / シリコーンドームスイッチ |
研究概要 |
本研究課題は,押しボタンスイッチ操作時における操作感に着目し,押下時の荷重とストローク,時間の三つの物理的パラメータと,クリック感や安心感といった複数の操作感との対応関係を明らかににすることを目的とした。特に,これまで操作感評価に用いられていなかった時間に着目し,時間が操作感に及ぼす影響について検討した。本実験で対象とした押しボタンスイッチは,メカニカルスイッチ9種類,メタルドームスイッチ10種類,シリコーンドームスイッチ10種類の計29種類である。まず小型万能試験機を用いて静的な実験条件下で測定を行い,荷重-ストローク曲線を得た。ついで動的実験条件下においてボタンスイッチ操作時の荷重と時間の変化を測定する目的で,デジタルフォースゲージを用いた装置を制作し,荷重-時間曲線を測定した。並行して,被験者実験によって,押しボタンスイッチの操作感評価を実施した。具体的には操作感を「クリック感がある」「はっきりしている」「安心感がある」「押しこみが重い」「ストロークが長い」「操作感に満足する」の6項目によって評価した。 得られた結果に,重回帰分析法を適用したところ,メカニカルスイッチでは,クリック感や操作の満足度には,荷重と時間は大きな影響を及ぼしており,ストロークの影響が小さいことが明らかとなった。またシリコーンドームスイッチにおいては,操作の安心感とクリック感に荷重と時間,ストロークの3変数が影響を及ぼしていることが判明した。これに対して,メタルドームスイッチでは,操作感に時間が全く影響していないことが示された。これらの結果は,メカニカルスイッチとシリコーンスイッチの操作感設計においては,荷重とストロークだけでなく,時間をパラメータとして加えることが重要であることを意味している。また今回開発したフィーリングテスタが,押しボタンスイッチの操作感設計に有効であることが示唆された。
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