研究課題
本研究は,インタラクションエージェントに個性を付与することにより,その対話経験を豊かにすることを目指した研究であった.本研究は以下の柱からなる:1)人間の性格を5大別する手法(エゴグラム)に基づき,その5つの性格を特異に表出するエージェントの好ましさとエージェントの提案の受け入れやすさについて評価した.その結果,意思決定時の対話の満足度の向上,結果が「好ましい」とユーザが判断したエージェントの推薦に偏る傾向が確認された.2)外見的性質に基づきユーザの個性(内面的性格)を表出する手法は明らかでなかった.そこで,ステレオタイプ性の強いアニメーション・漫画の文脈におけるキャラクタデザイン手法を援用する手法を検討した.この「萌え擬人化」キャラクタエージェントとその性格付け,および擬人化されたシステムのインタラクティブ性について関連を調査したところ,エージェントの個性およびインタラクティブシステムの性質を類推することが可能であると示された.3)「母親」らしさという個性を表出する情報提示システムを提案した.これは,一般的に母親に対して持たれる印象(慈母としての印象・構いたがる印象)を利用し,リマインダなどの情報提示時にユーザにより適切な(忘れにくい,見逃そうとしにくい)印象を与えることを目指すものである.個性の表出はテキストによる「母親が話しかけそうな表現法・用語」を用いて行われた.最終年度は特にこの「母親らしさ」が実際にユーザの印象をどのように変容させるかについて評価を行い,一般的な(個性的でない)テキスト表現と比較してユーザへ行動に対する焦りやプレッシャーを感じさせられることが分かった.4)インタラクションエージェントを応用した複数のシステム(満員電車の負担を軽減するゲーミフィケーションなど)を実現した.
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Proceeding of DUXU/HCII2013
巻: Part II, LNCS 8013 ページ: 538-547
HAIシンポジウム2013講演論文集
巻: 1 ページ: 141-146
NICOGRAPH2013論文集
巻: 1 ページ: 129-132
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