研究課題
本研究は、3段階で進めた。第1段階は、平成23年度を中心に、地域の観光価値評価のためのクオリティカルテの構築であった。アンケート調査から地域イメージなどに関するクオリティカルテの評価センテンスの抽出を行い、精査することでの簡略化など24の分類項目のカルテを構築した。このカルテを用いてケーススタディ地区においてアンケート調査を行い、地域における生活者(内部者)と観光者等外部者との評価のズレを可視化した。その主な結果としては、内部者の方が外部者よりも辛めの評価であることなどが明らかになった。第2段階は、新たに計画される街路空間デザイン案におけるクオリティカルテ評価診断システムの作成のために、主に平成24年度で取り組んだ。既存の街路等公共空間の実態調査及び景観評価を行い、生活者・観光者双方に価値のある街路空間デザインのあり方に関する検討を行った。特に、福岡市の新たなシンボルロード整備に向けたデザイン案を提示し、市役所職員らとの狭義などから具体的なデザイン案作成方針を策定した。また、観光の側面では、観光とまちづくりの観点からの先進事例調査を行うとともに、九州各県における観光振興とまちづくりに関する実態調査も同時に行い、街路空間デザインの留意点等を整理した。平成25年度は、本研究の最終年度としての第3段階である。まず、街路景観評価実験を基に生活者・観光者双方の価値ある街路空間デザインを検討し、シミュレーションのためのデザイン計画を提案した。提案したデザイン計画案のクオリティカルテ評価内容に関する検証と評価実験を行い、生活者と観光者における評価のズレの可視化から評価手法の検証を行い、実用性のあるクオリティカルテ評価診断システムを提示した。そして、街路の実態調査、評価、デザイン案の作成、検証、最終案の策定に至る、観光価値形成のための街路空間デザインプロセスの構築に結びつけた。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)
Journal of Nanjing University of Science and Technology
巻: Vol.37 Sup, Sum No.190 ページ: 23-30
巻: Vol.37 Sup, Sum No.191 ページ: 215-220
Proceedings of 5th International Congress of International Association of Societies of Design Research (IASDR2013)
巻: Vol.1 ページ: USB:11p