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2012 年度 実施状況報告書

サイン音に対する中高齢者の聴覚的注意に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23611024
研究機関公立はこだて未来大学

研究代表者

伊藤 精英  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (90325895)

研究分担者 南部 美砂子  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (10404807)
キーワードサイン音 / 知覚 / デザイン
研究概要

視覚に障害のある成人,中高年者の注意を喚起しやすい情報音(サウンドアイコン),報知音をデザインするための基礎的知見を得るために,本研究は行う.本年度は,製品やパソコンなどで使用されている正弦波を題材として,そのごく短時間の聴覚刺激に対する中高年成人の聴覚印象を検討した.
使用された聴覚刺激は,数十ミリ秒の極短時間の正弦波純音とその正数字倍音からなる複合音であった.具体的には,基本周波数4000Hzの純音及びその2次倍音の8000Hzを重畳させた複合音(4000Hzと8000Hz)を組み合わせた音とした.中年成人のうち,半数は健聴者,残りの半数は軽度の難聴(自己報告)であった.その被験者には,4000Hzの純音の後に複合音を聴取する場合と,複合音を聴取後純音を聴取する場合の2条件を課した.二つの条件において,標準刺激は共に4000Hzとした.
被験者にはテスト音が標準刺激に比べて高く聞こえたか否かを報告させた.この結果では正弦波純音と複合音の聴取に統計的な有意な差が認められなかった.
家電製品のサイン音やパソコンのサウンドアイコンなどで使用される正弦波のみに焦点を当てた実験では,聴覚的な注意の低下した成人に有効な音のデザインには限界があるように思われた.
そこで,立ち上がりと立ち下がりの勾配が明確なクリック,トーンバーストを一つの要素として,その断続音系列を使用した聴取実験を来年度行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度,サイン音聴取実験及び日常生活サイン音使用の調査が研究代表者の予定した計画通りに行うことができなかった.
今年度は,研究代表者が申請当初の目的を達成するために実験計画を全面的に見直して最終年度の成果をあげるために努力する.

今後の研究の推進方策

(1)サイン音の制作と改良
クリック音を構成要素とするサイン音を作成する.クリックは立ち上がりと立ち下がりからなるバーストとする.バーストの構成要素である立ち下がりと立ち下がり及びバースト間の時間をパラメータとしてサイン音のプロトタイプを作成し,聴取実験を行う.
加えて,プロトタイプのサイン音の音質評価をsound qualityスケールにより定量的に解析する.解析には新規購入するLabViewソフトウエアを使用する.
行った実験結果は今年度開催される日本感性工学会及びヒューマンコミュニケーションシンポジウムで発表する.

次年度の研究費の使用計画

LabView signal processingソフトウエア 30万円
日本感性工学会発表旅費 10万円
HCGシンポジウム発表旅費 20万円
サイン音発生装置制作費 30万円
実験被験者謝金 10万円

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (9件)

  • [学会発表] The effect of ambient sound on body sway while standing.2012

    • 著者名/発表者名
      Miyake,T., Inou,H., Sawada,M.,Mishima,H. and Ito,K.
    • 学会等名
      12th European Workshop on Ecological Psychology
    • 発表場所
      Miraflores de la Sierra, Madrid, Spain
    • 年月日
      20120628-20120629
  • [学会発表] Development on a Direct Haptic Interface of a Novel Travel Aid for the Blind

    • 著者名/発表者名
      Ito, K., Fujimoto, Y., Otsuki, R., Okamoto, M., Akita, J., Komatsu, T., Masatani, A., & Ono, T.
    • 学会等名
      IARIA AMBIENT 2012
    • 発表場所
      Novotel Barcelona Sant Joan Despi, Barcelona, Spain
  • [学会発表] 感性サービスに対する音の生態学からのアプローチ

    • 著者名/発表者名
      伊藤精英・滝山聖士
    • 学会等名
      第14回日本感性工学会大会
    • 発表場所
      東京電機大学千住キャンパス
  • [学会発表] 短時間トーンバーストの知覚と倍音の関係に関する基礎的検討

    • 著者名/発表者名
      伊藤精英・滝山聖士
    • 学会等名
      第14回日本感性工学会大会
    • 発表場所
      東京電機大学千住キャンパス
  • [学会発表] RCヘリコプターのホバリング制御における動揺の識別

    • 著者名/発表者名
      藤田雄人・櫻沢繁・伊藤精英
    • 学会等名
      日本生態心理学会第4回大会
    • 発表場所
      公立はこだて未来大学
  • [学会発表] 包囲音の変化が姿勢制御に与える影響

    • 著者名/発表者名
      三宅哲平・平手庸介・伊能寛・三嶋博之・伊藤精英
    • 学会等名
      日本生態心理学会第4回大会
    • 発表場所
      公立はこだて未来大学
  • [学会発表] コミュニケーション能力の認識と評価―大学生のグループディスカッション場面を題材として.

    • 著者名/発表者名
      南部美砂子
    • 学会等名
      日本心理学会第76回大会発表論文集
    • 発表場所
      専修大学
  • [学会発表] 小児がん経験者のための教育ツールの開発と評価.

    • 著者名/発表者名
      南部美砂子・原田寛己・山口悦子・早川晶・瓜生英子
    • 学会等名
      ヒューマンインタフェースシンポジウム論文集
    • 発表場所
      九州大学
  • [学会発表] 調理行動とレシピの利活用における認知的特性の分析ーICTによる調理支援を目指して.

    • 著者名/発表者名
      石本真紀・南部美砂子
    • 学会等名
      ヒューマンインタフェースシンポジウム論文集
    • 発表場所
      九州大学

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公開日: 2014-07-24  

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