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2013 年度 実績報告書

サイン音に対する中高齢者の聴覚的注意に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23611024
研究機関公立はこだて未来大学

研究代表者

伊藤 精英  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (90325895)

研究分担者 南部 美砂子  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (10404807)
キーワード報知音 / サイン音 / 生態音響学 / ecological interface / 視覚障害者 / process monitoring
研究概要

本研究では、いわゆる「当事者研究者参加型」アプローチにより、中高齢の重度視覚障害者を対象として、聞き分けやすいサイン音を試作しその評価を行った。
サイン音の開発に当たり、基本コンセプトを下記のように設定した。1 家電製品の動作状況をリアルタイムに認知することを可能にすること。2 サイン音が生態学的に妥当であること。つまり、サイン音が家電製品の動作状況あるいは機能イメージを直感的に伝達できること。3 高齢者にとって4kHzを超える可聴音が聴取しにくいことを考慮すること。4 過渡音(バースト)及びスウィープ音など定常音以外の音を念頭に置くこと。
まず始めに、ごく短時間持続するバーストを用いて、先行するバースト音が後続のピッチ弁別に果たす影響を検討する基礎実験を実施した。継時弁別課題の結果、バーストは継時的に聴覚印象が変化することから、バースト音を構成要素としたサイン音は不適切とみなした。
次に、生態学的妥当性及びピッチ変化に着目して、4000Hz以下の6個の純音とその変調からなるサイン音の試作を行った。すなわち、電気ポットなどの水を湧かす電化製品のプロセスモニタリングを想定し、水が沸騰するまでのプロセスをモニタリングするようなピッチ変化のある報知音を試作した。
試作した報知音とケトルの沸騰までの音を刺激として、異なる水の状態(沸騰状態/沸騰直前)を判断する実験を行った。その結果、ケトル音と同様に、試作した報知音において、異なる水の状態を試作報知音から推定できることが示唆された。さらに、試作報知音が日常生活における有用性を検討するために、複数の既存サイン音、日常騒音が混在する聴取条件での聞き取りやすさを検討したところ、試作報知音が特定しやすいことが示唆された。以上より、生態学的に妥当であり、動作状況の継時的変化を直感的にイメージ可能な報知音の有用性が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 生態学的アプローチによるプロセスモニタリング用継時的サイン音の作成とその評価:電気ポットの沸騰報知音を題材として

    • 著者名/発表者名
      滝山聖士・伊藤精英
    • 学会等名
      日本感性工学会生命ソフトウェアシンポジウム2013
    • 発表場所
      千葉工業大学(千葉県)
  • [学会発表] Perception-action cycle in remote control

    • 著者名/発表者名
      Fujita, Y., Sakurazawa, S., & Ito, K.
    • 学会等名
      17th International Conference on Perception and Action (ICPA17)
    • 発表場所
      Hotel Estoril Eden(Lisbon, Portuguese Republic)
  • [学会発表] The Research on the Skills in Japanese Tea Ceremony: A case study

    • 著者名/発表者名
      Ito, K., Mishima, H., Nozaki, A., Takiyama, M., & Kimura, K.
    • 学会等名
      17th International Conference on Perception and Action (ICPA17)
    • 発表場所
      Hotel Estoril Eden(Lisbon, Portuguese Republic)
  • [学会発表] リアルタイムドキュメンテーションにおける熟達者と初心者の比較

    • 著者名/発表者名
      南部美砂子・原田泰・岡山卓巨
    • 学会等名
      日本デザイン学会第60回春季研究発表会
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県)
  • [図書] サウンドテクスチャー-日常音環境の知覚を可能にする情報単位(「知の生態学的転回」第2巻 技術-身体を取り囲む人工環境 村田純一編)2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤精英
    • 総ページ数
      301(47-80)
    • 出版者
      東京大学出版会

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公開日: 2015-05-28  

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