CGは今や建築デザインにおける欠かせないツールの一つになっている。CGによって設計段階の建物を可視化することにより、実際に建物を建てる前にリアルな臨場感で石器検討が出来、さらに設計期間の短縮やコスト削減にもつながっている。一方で、3次元CGの制作には高性能のコンピュータやソフトウエアの設備や専任技術者の配置などの投資が必要で、この投資の余力のある企業だけが恩恵を教授しているのが現状である。このような状況を打開し、デザイン分野における3次元CG活用の裾のを広げ、業界全体のデザインの質の向上や競争力の向上を図るために、デザイン検討をターゲットとし使いやすさに重点を置いた3次元CGソフトウエア「Frend」の開発をすすめ、Webを通して産業界に普及展開できる段階にまで完成させた。本研究の中で具体的に研究開発した主な項目は以下である。 a.レンダリング品質の向上:アンビエントオクルージョンとパストレーシングの合成による間接光表現独自アルゴリズムの開発、点光源による半影表現の独自アルゴリズム(Light Obstacle Depth)の開発、ラップマッピング機能の改良、大画面パノラマ機能の改良など b.レンダリング時間の高速化:GPGPUの開発環境の調査、GPGPUによる並列処理アルゴリズムの検討と速度比較による効果の検証、マルチCPUによる並列計算処理、サーバーレンダリング法の開発、面と光線の交点計算の高速最適化など c.ユーザーインタフェース:各種モデラー(VectorWorks、AutoCAD、SketchUp、Shade)とのモデルデータ互換の開発など d.ソフトウエア開発環境の整備:64ビットOSでの開発環境の整備、ソースコードのレンダリングエンジン部分の共有化など e.産業界への普及展開準備:ユーザーマニュアル作成、CGソフトウエア「Frend」普及のためのWebサイトの制作など
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