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2012 年度 実施状況報告書

社会システムと技術システムとの統合設計へのシステムデザイン方法論の適用研究

研究課題

研究課題/領域番号 23611038
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

白坂 成功  慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科, 准教授 (00588741)

研究分担者 保井 俊之  慶應義塾大学, 先導研究センター, 特任教授 (50567758)
神武 直彦  慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科, 准教授 (20549836)
キーワードデザイン学 / システム工学 / 設計工学 / システムデザイン
研究概要

この研究では、複数のディシプリンにまたがるアプローチであるシステムエンジニアリングの考え方を 基礎とし、その適用分野を広 く社会システムへ拡張して適用するためのシステムデザイン学の体系化及び 方法論の構築を行い、実社会の問題に対して適用してみ ることで、その有効性を検証することを目的としている。
平成24年度は、平成23年度に明確化した技術システムの開 発方法論から、システムエンジニアリング プロセスの一般化のための整理を行った上で、社会システム開 発の特徴を元に、システムエンジニアリン グプロセスを社会システムに適用するため の方法論の構築をおこなった。また、平成23年度に明確になった社会システムの 設計方法論と技術システムの設計方法論と の共通点・相違点を明確にし、システム開 発方法論の再構築をおこなった。
これにより、技術システムとしては、情報システム開発における品質保証の在り方にシステムデザインの考え方を適用し、より確実に品質を確保することをおこなった。またITシステム開発のマネジメントにシステムデザイン学を適用し、確実なマネジメントをおこなう方法を設計した。更に、社会システムとして、政策の設計及び地域活性化、マーケティングについて、システムデザイン学の考え方の適用を行った。特にマーケティングについては、これまで設計手法が確立していないCause Related marketingの設計手法をシステムデザイン学に基づき構築し、実際にワークショップを開催してその有効性評価をおこなった。本研究は現在、国際学会へ向けて投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

情報システム開発における品質保証の在り方にシステムデザインの考え方を適用し、より確実に品質を確保することをおこなった。これは、超小型衛星の開発における開発者の考え方を見える化し、共有化することで、関係者間でどのような考え方で設計者が設計したのかを明確に理解できるようになる。このシステムデザイン学を適用した方法は高く評価され、国際学会で発表するとともに米国NASAの設計者からも招待され、議論をすることができた。
またITシステム開発のマネジメントにシステムデザイン学を適用し、確実なマネジメントをおこなう方法を設計した。この研究では、ITシステム開発プロジェクトの組織と情報に着目し、どのような組織で、どのような情報のやりとりをおこなうことがプロジェクトの成功に影響するのかを明らかにし、プロジェクトの成功確率が高くなる組織やプロセスのデザインを実施した。どちらも対象は技術システムではあるが、適用先は設計者の考え方やプロセス、組織であり、技術システムと社会システムの統合されたシステムに対する適用であると言える。
更に、社会システムとして、政策の設計及び地域活性化、マーケティングについて、システムデザイン学の考え方を適用することで、有効なデザインがおこなわれることを実証し、論文としてまとめて国際学会での発表やジャーナルへの投稿をおこなうことができた。

今後の研究の推進方策

平成25年度には、平成23年度及び平成24年度の成果を活用して、この実社会のシステ ムへの統合デザイン方法論の適用を通じ て、提案する技術システムと社会システムの統合デザイン方法論 の有効性、限界及び技術システム及び社会システムの特徴による違 いについての評価を実施する。特に、机上でのシミュレーションではなく、実プロジェクトへの適用を実施することで、実際のシステムデザインに適用した場合の有効、限界を明確にするとともに、必要な改善を実施する。さらに、技術システムと社会システムの統合デザイン方法論ついて、得られた結果を取りまとめ、国内外の学会や論文誌を通じた成果の発表を 行う。

次年度の研究費の使用計画

大きく分けて、実適用準備のための費用、実適用の実施のための費用、適用結果を発表するための費用から構成される。 実適用準備のための費用としては、事前にデータを準備するためのアルバイト費用や実適用に必要な治具、データ等の費用が含まれる 。 実適用の実施のための費用としては、実適用を実施するために現地へ移動するための交通費、現地での活動支援のためのアルバイト費やア ンケート等への協力に対する謝金、そしてデータ整理のための人件費などが必要となる。 実適用結果を発表するための費用としては、国内の学会に参加するための学会登録費、旅費、国際学会に出すための英文校正費、発表の ための学会登録費、旅費、及びジャーナルにのせるための費用などが必要となる。 いずれについても、一つで大きな額になるものはないが、小規模な適用を繰り返しながら、仮説構築と検証を繰り返していく必要があ るため、それぞれ複数回の小規模試行のための準備費用、実施費用及び発表費用が必要となる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] TOWARD STRATEGIC DEVELOPMENT OF HODOYOSHI MICROSATELLITE USING ASSURANCE CASES2012

    • 著者名/発表者名
      Kohei TANAKA, Yutaka MATSUNO, Yoshihiro NAKABO, Seiko SHIRASAKA, Shinichi NAKASUKA
    • 学会等名
      63rd International Astronautical Congress
    • 発表場所
      Naple, Italy
    • 年月日
      2012-10-02
  • [学会発表] A NEW APPROACH TO COMPONENT REUSE IN MULTI-SOFTWARE DEVELOPMENT PROJECT MANAGEMENT BY USING AN INFORMATION-CENTRIC PROJECT MODEL

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Sakaedani, Toshiyuki Yasui,Seiko Shirasaka,Takashi Maeno
    • 学会等名
      14th DSM Conference
    • 発表場所
      Kyoto
  • [学会発表] Enhancement of Problem-solving Capability by Reduction of Project Complexity - A Case Study on Empirical Validation of Information Centric Project Management-

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Sakaedani, Toshiyuki Yasui, Seiko Shirasaka
    • 学会等名
      6th international conference on Project Management
    • 発表場所
      Hawaii (USA)

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公開日: 2014-07-24  

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