研究課題/領域番号 |
23611040
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
新垣 紀子 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (40407614)
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研究分担者 |
野島 久雄 成城大学, 社会イノベーション学部, 教授 (30407613)
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キーワード | デザイン / 認知科学 / ヒューマンインタフェース |
研究概要 |
本研究の目的は、様々なアーティファクトと人が共生できる環境のデザイン指針を構築することである。新しいシステムが導入されるたびにシステムや道具にさまざまなメッセージが付加されている。例えば、駅の自動改札には、ICカードをどのくらいの時間タッチしたらよいかというメッセージが貼られている。また多目的トイレの自動開閉ドアには、鍵をどのようにかけるかという説明書きが書かれている。これらのような機器に付加されたメッセージは、機器の使い方を示す注意書きもあれば、機器に提示されているメッセージと同じ内容をさらに上から貼付しているものもある。本研究では、なぜこのような貼紙が必要とされるのかという観点から、貼紙が貼付されている状況を経時的に観察し、そこでの貼紙の機能を認知科学的に分析することにより、そこから得られた知見をデザインに活かすことを目的としている。 本年度は、昨年度に収集したデータに基づいて、以下の2つの観点から調査、検討を進めた。1点目は、貼紙の精緻化について、2点目は、電子的なデータとリアルな物の存在感が与える影響である。 貼紙の経時的な観察を続けることにより、貼紙のメッセージの単純化、ナビゲーション機能の強調、貼付位置の調整などにおいて、貼紙の精緻化が確認されている。この精緻化に伴って、システムのユーザに対して貼紙の認知率の調査を行った。その結果、精緻化によって認知率が向上していることが確認された。このような調査および分析を進めることにより、多くの問題が発生する場所の特徴や、その対処方法が検討されるだろう。さらに貼紙の貼り手に対して、インタビュー調査を進めている。これらの研究からメッセージの効果について、認知的な考察を進めることができると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね、スケジュール通りであるが、データ収集、分析等、進行が遅れた部分もある。今後は、研究会等の場を利用して議論を深めることにより、研究を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、ソーシャルカスタマイゼーション機能を解明するために、平成24年度に収集したデータを合わせた形でデータベース分析を進める。このデータベースの内容と、データベースを分析して得られる知見をまとめることにより、日本認知科学会や、ヒューマ ンインタフェース学会等で発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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