研究課題/領域番号 |
23612001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長瀬 敬 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00359613)
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研究分担者 |
仲上 豪二朗 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70547827)
峰松 健夫 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00398752)
森 武俊 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20272586)
赤瀬 智子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50276630)
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キーワード | 振動 / 褥瘡 / 糖尿病性足潰瘍 / 低酸素 / タンパク質分解酵素 |
研究概要 |
1. ラット深部組織損傷型褥瘡モデルにおける振動刺激による潰瘍化抑制メカニズム 深部組織損傷型褥瘡(Deep Tissue Injury, DTI)とは、外力による皮下組織の損傷に由来する褥瘡である。昨年度までに、本病態のモデルラットを確立し、1日15分の振動刺激負荷が潰瘍化を著しく抑制することを明らかにした。 本年度は、その潰瘍化抑制メカニズムの解明に取り組んだ。まず、圧力負荷は皮下組織の低酸素化と酸化ストレスを促進し、タンパク質分解酵素(MMP2および9)の発現および活性を更新した。圧負荷後に振動刺激を与えると、組織の低酸素化が軽減し、タンパク質分解酵素の発現/活性が著しく低下したが、酸化ストレスには変化が認められなかった。以上より、振動刺激は組織の低酸素化を改善することでタンパク質分解酵素の発現/活性の上昇を抑制し、潰瘍化を抑制するメカニズムが明らかになった。 2. インドネシアにおける糖尿病性秋潰瘍に対する振動刺激の臨床評価 本研究の連携研究者であるDr. Suriadiのグループによる臨床評価試験(インドネシア、Tanjung Pura大学)が終了した。糖尿病性足潰瘍の治癒期間は、振動負荷群では約30日、対照群では約90日であり、振動療法が糖尿病性足潰瘍の治癒機関を優位に短縮することが明らかになった。
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