研究課題/領域番号 |
23613005
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山崎 康仕 神戸大学, その他の研究科, 教授 (00200668)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 / 生命倫理規範 / 韓国 / イギリス / 法哲学 |
研究概要 |
本研究の目的は,ヒト胚研究規制の制度化にあたってどのような視座または視点が必要とされているのか,とくにわが国におけるその種の規範形成においてどのような原理原則を採用することが望ましいのかを理論的かつ実証的に探究することにある。 それを具体化する研究目的としては,第一に,生命倫理規範形成で先行してきた欧米型の生命倫理規範の構成原理および特質とその限界とを析出すること,第二に,倫理規範を法制度化すること伴う固有の問題を析出し,法制度化の限界と効用を明確化すること,第三に,ヒト胚研究規制において欧米型の生命倫理規範(特にそのヒト胚観)が普遍的な規範たり得るかという問題を解明することである。 拙稿「英国における終末期医療への取り組み」において,具体的な研究目的の第一にあげた「欧米型生命倫理規範の構成原理および特質と限界」を析出することを試みた。拙稿「臨床倫理と適法性」において,具体的な研究目的の第二にあげた「倫理規範の法制度化に伴う諸問題,とくに法制度化の限界と効用」についての探究を行った。 さらに,韓国での調査(7月27日~8月2日)およびイギリスでの調査(9月17日~9月30日)によって,具体的研究目的の第三にあげた「欧米型の生命倫理規範の普遍化可能性」について探究した。 ドイツで開催された第25回法哲学・社会哲学国際学会連合世界大会に参加して,海外の研究者と,生命倫理規範の制度化をめぐる問題について意見交換をすると共に,欧米文化とイスラム文化の狭間にあるトルコの研究者との親交を深め、次年度の調査の手がかりとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進んでいるが,具体的な研究目的の第一にあげた「欧米型生命倫理規範の構成原理および特質と限界」,第二にあげた「倫理規範の法制度化に伴う諸問題,とくに法制度化の限界と効用」そして第三にあげた「欧米型の生命倫理規範の普遍化可能性」のいずれにおいても,理論研究およびその掘り下げがなお不十分であるため,なお一層の文献研究及び調査研究が必要と考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度と同様に,「欧米型生命倫理規範の構成原理および特質と限界」と「倫理規範の法制度化に伴う諸問題」を考究し,それらを通してヒト胚研究規制の制度化について探究する。その際の方法としては,文献研究を中心とする理論研究と,調査研究を中心とする実証的研究を行うと共に,国際学会等において海外の研究者と意見交換を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)欧米(あるいはトルコ)および東アジアでのヒト胚研究規制の調査研究:「欧米型生命倫理学の特質と限界」と「ヒト胚研究規制におけるGlobalizationとLocalism」について,引き続き理論的研究と実証的研究をおこなう。欧米型の生命倫理規範やヒト胚研究規制の特質を析出するために,欧米(あるいはトルコ)や韓国の現地研究者へのインタビューもおこなう予定でいる。(2)倫理規範の法制度化に内在する諸問題の研究: 倫理規範を法制度化する場合には,固有の問題が存在する。その問題について理論的研究をさらにおこなう。(3)わが国の「在るべき」ヒト胚研究規制についての原理的研究および法制度的研究:前年に引き続き,わが国の「在るべき」ヒト胚研究規制について原理的研究および法制度的研究をおこなう。(4)国際学会等での意見交換: 研究成果を国際学会等での研究者からの批判を受けた上で理論の精緻化をはかる。アジア生命倫理学会等での意見交換を通して,海外の研究者からの意見および評価を得る予定である。
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