研究課題/領域番号 |
23613006
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
粟屋 剛 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (20151194)
|
研究分担者 |
大林 雅之 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (50176989)
小河 達之 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (10346421)
|
キーワード | 死刑囚移植 / 移植ツーリズム / 渡航移植 / ELSI / 社会調査 / 臓器移植 / 移植患者 |
研究概要 |
平成25年度(最終年度)は予定通り社会調査(アンケート調査及び聞き取り調査)を実施した。具体的には、前年度末(平成25年3月下旬)に海外渡航移植援助業者の助力を得て30人にアンケートを発送していたが、回答率が20%にとどまっていたので、再度、未回答だった人を含めて40人にアンケートを送付した。そのうち15人から回答を得た。平成26年年3月末日までの段階(計41人分)のアンケート調査結果の概要(重要部分のみ)は下記の通りである。 腎臓はうまく機能しているか、という問いに92%の人がYESと答えている。移植結果に満足しているか、という問いに91%の人がYESと答えている。中国の移植技術の水準については82%の人が高いと思うと答えている。現地の医師や看護師は好意的であったか、との問いには88%の人がYESと答えている。ドナーが死刑囚であることの説明を受けたか、との問いには54%の人がNOと答えている。中国で移植を受けることに葛藤や迷いがあったか、との問いには58%の人がYESと答えている。中国で移植を受けたことを後悔しているか、との問いには88%の人がNOと答えている。帰国後に、中国で移植を受けたことを理由に診療拒否をされた経験があるか、との問いには41%の人がYESと答えている。 聞き取り調査に関しては、浜松に在住する患者さんに面会して詳細な情報を得た。彼は、「つらい透析で生きるより、刑務所に入ってもよいから中国で移植を受けようと思った(そして、現に受けた)」と語った。 中国現地調査も実施し(2回)、現地の患者担当医や手術医などから貴重な情報を得た。なお、平成25年4月、NHKが本調査についての番組を制作した(4月5日ほか放映[25分間、「現場に立つ」、「フェイス」ほか(中国地方のみ)])。
|