研究課題/領域番号 |
23613007
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
吉川 ひろみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (00191560)
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研究分担者 |
吉畑 博代 上智大学, 外国語学部, 教授 (20280208)
古山 千佳子 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (90280205)
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キーワード | 倫理 / リハビリテーション / 事例 / プレイバックシアター |
研究概要 |
平成24年度に作成したリハビリテーション倫理事例集を使用した研修会を実施しながら,さらに効果的な教育法を探った。研修を通して,倫理的感受性を高めるための手法としてプレイバックシアターが有益である可能生が高まった。4月21日に熊本保健科学大学にて,作業療法士および理学療法士約50名を対象に,3時間の講習会を実施した。10月20日には,第18回日本作業療法教育学術集会(日本リハビリテーション専門学校,東京)で作業療法士教員約30名を対象に,ディスカッションとプレイバックシアターによる3時間のワークショップを実施した。研究者の勤務校においては,10/2に倫理ミニセミナー,1月8日に倫理セミナーを開催し,参加者が経験したストーリーを即興劇として演じてみせるプレイバックシアターを取り入れた。リハビリテーション倫理をテーマとしたウェブサイトを開設し,事例集をダウンロードできるようにした。本研究の成果は,リハビリテーションの現場で身近に生じる倫理的問題場面を想起し,ディスカッションするための機会を創出できたことである。倫理的実践実現のための枠組みで示した思考(倫理概念の学習,概念を使った分析,議論への参加)と実践(倫理的感受性の高まり,問題解決への意思,倫理的実践志向と振り返り)をつなぐ手法としてプレイバックシアターの活用を開始できたことも,本研究成果といえる。また,倫理セミナーには,専門職以外の一般住民の参加もあり,お互いの経験を持ち寄ることができた。今後は,リハビリテーション専門職以外の人々,特にサービス利用者や一般の人々と共に倫理教育を進めていくことで,共に悩みながらも倫理的配慮を忘れないリハビリテーションサービスが実現できると考えられる。
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