研究課題/領域番号 |
23614003
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池ノ上 真一 北海道大学, 観光学高等研究センター, 特任准教授 (60582252)
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研究分担者 |
田代 亜紀子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, アソシエイトフェロー (50443148)
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キーワード | ツーリズム / 観光 / 文化遺産 / 国際情報交換 / 地域計画 / 地域研究 / 社会システム / 生活スタイル |
研究概要 |
【最終年度の研究内容と成果】 最終年度は、気仙沼市・内湾地区、礼文島、留萌市・幌糠地区を中心に現地調査、あるいは地域における観光まちづくりプロジェクトに参画する中で、研究成果の検証を行うとともに、プロジェクトへの提言等をとおし地域社会への還元を行った。また、文部科学省「成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進事業」を活用し、観光まちづくりのためのプロジェクトモデル抽出において、当該研究の仮説を検証し、同時にその成果の当該事業への還元を試みた。さらに、NPO法人北海道遺産協議会の満足度向上プロジェクトチームの立ち上げに参加し、当該研究の成果をもとにして次年度からの実質的な稼働への展開をみた。 他方、東南アジアを中心とした海外調査については、これまで収集した資料とデータの分析を主とした。 平成23・24年度に実施した海外調査と国内調査の分析をおこなうため、7月に研究打ち合わせを行い、分析内容についての討議を行った。さらに、研究代表者・研究分担者が北海道大学において「海の道に関連した観光地域づくりに関する研究会」(平成25年度3月7日)を主宰し、研究成果の発表、北海道大学観光学高等研究センターのセンター長をはじめ第三者にコメンテータとなってもらい議論することで、研究成果をより深めた。 【研究成果の意義】 以上から、「研究の目的」で掲げたヘリテージ・ツーリズムの思想の抽出に関しては、1.地域資源のデータバンク機能(地域総体の把握、官民協働型まちづくりの推進)、2.利活用の促進機能(ツーリズム・プログラムの充実・洗練、地域イノベーションの促進)、3.生活への還元機能(コミュニティ再生、環境整備)という3つの要素を枠組みにおいて重要であるという結論を得た。しかし、実際に地域把握のために適用する場合は、その地域の特性や状況を鑑み、丁寧に捉えることが必要であることを確認した。
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