研究課題
本研究は、観光地の発展過程をモデル化することを最終的な目的としている。具体的には、わが国の主な観光地を対象に、その誕生から現在に至るまでの発展過程を追いかけ、さらに段階の移行の外的・内的要因(マーケット側、地域側)を探ることで、観光地の発展モデルを構築することを目的としている。分析結果がなかなか一般化できないため、今年度は、事例分析を増やすこととした。具体的には、長野県小布施町の町並型観光地を対象に、信濃毎日新聞(1970~2013)の記事を題材に、観光地としての発展過程を明らかにすることを目的とした研究を成果としてまとめた。具体的には、次のように時代区分ができた。第Ⅰ期(~1989年頃):現在の小布施を代表する文化施設が開館し、街並み環境整備事業が行われた。『(修景も含めた)施設整備』の時期。第Ⅱ期(1989年頃~1998年頃):「花のまちづくり」や多数訪れる観光客に対し、地元農産物の販売に取り組み始めた『産業育成』の時期。第Ⅲ期(1998年頃~2009年頃):「第三回北斎国際会議」をきっかけにして町内に住民有志の団体が登場したり、様々なイベントが開催されるようになった『町民活動』の時期。第Ⅳ期(2009年頃~):「小布施まちづくり委員会」や「小布施若者会議」などをきっかけに、若者が地域の中で新しい活動を始めた『新世代活躍』の時期。その成果は日本観光研究学会で論文として公表した。さらに最終年度なので、観光地の発展過程における外的・内的要因の特殊性、及びマーケティングやブランディング力やその方向性を考慮しながら、モデルの統合化を図り、汎用性のある発展モデルの構築、まちづくり手法の開発を試みる。
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