研究課題/領域番号 |
23614011
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
片岡 英尋 琉球大学, 観光産業科学部, 准教授 (10526461)
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研究分担者 |
西村 美彦 琉球大学, その他部局等, 教授 (10301219)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
本研究の目標は、第一に、今後の研究を効果的に展開するための概念整理、沖縄・西表に限らず県外・海外を対象とした既存研究のレビューを行い、差異の抽出、及び課題・仮説の抽出を行うために、文献・データ、実態調査のデータベース化を進めることとしてきた。次に、既存の文献の再検討と関連分野の研究者・実務家の意見を基に概念の再構築を試みることを目標に挙げてきた。これらを達成する過程で、観光を含む地域開発分野は、文理融合ないし学際分野と称されながら、概念や理論的枠組みの統合が未だ発展途上であることから、異分野間での議論が困難になっていることを解決するために、また事例の比較・検討により、沖縄の地域特性をより明確化することが可能になると考えてきた。本年度の前半は研究協力者・支援者の依頼、年間の視察・訪問先等の予定の決定 機器の使用方法とデータのインデックスの付け方の検討 学術分野の書籍収集し既存先行研究レビュー 現時点での島勢データ 関係者との意見交換・情報交換を行うことを目標とし、座間味島・与那国島での修学旅行開発に研究者として参加する機会を得て、その中で研究協力者・支援者の依頼を行った。また、データ整理等の情報処理に関しては、専門家を招聘し、レクチャーを受けることで次年度以降の方針を確定した。後半は過去の島勢データ収集 対象地域(大原地区、船浮地区)の歴史的経緯の理解 実地調査の調査票と聞取り内容の検討 文献・データのデータベース化を行うとしてきた。この部分に関しては、開発金融公庫等の協力を得て、資料を入手するなど順調に文献を収集している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までのところ、研究実績の概要でも述べているように、研究全体の前段階の準備としては順調に推移している。西表島を対象地域にしていたが、それ以外の当初に関しても人脈を構築してきており、当初の研究計画よりも広がりのある成果が期待できるものと考えている。ただし、焦点を明確にする意味で、今年度の成果を今一度吟味し、収集した各情報を、適切な方針のもと再整理し、次年度以降の研究での活用を図る必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、実地調査を中心に帰納的な思考により、概念の再構築、学際的な論理の接合の準備の為のディスカッションを重視したい。前年度のデータに修正を加えつつ、関連分野の研究者・実務家とのディスカッションを通じて、概念の修正・曖昧さの抽出を行いたい。調査に関しては、西表島を東西(東:大原地区 西:船浮地区)に分け、東部では、県外観光業者と農業従事者を中心とする利害調整に関する聞取り調査(利害調整の失敗とサンクションを中心に) 西部では新規参入業者と地域住民を中心とする利害調整に関する聞取り調査(利害調整のルーチン化を中心に)を行う。さらに研究分担者の西村が、本研究とは別であるがベトナムへ視察に行く予定であり、その際に現地における本研究のテーマに関する資料収集を行う予定である。平成25年度は、過去2年間の集成として、既存学説の批判的検討など演繹的な思考により島嶼地域で新たな入域者がもたらす負荷と、それを解消する利害調整の構造に関する基礎理論構築につながる整理と、研究課題を抽出する。成果物に関しては、これまでの調査を基に、観光に特化して考察を限定した場合に表出する、特異な問題点の抽出を目指したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の使用計画については、研究対象地域での情報収集、実態把握、エビデンスの収集が中心となる。そのため、旅費と研究協力者への謝金への支出が中心となる予定である。具体的には、5~7度の島嶼地域入域を考えており、都度10万円前後の支出となると考えている。また機器の購入に関しては、資料の増加に伴うバックアップの必要が生じており、上記のような移動を伴うことが増えることを考慮すると万全を期しておく必要があり、本年度入手した機器と同等のものの購入を考えている。
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