研究課題/領域番号 |
23614012
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
飯島 明宏 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (70391828)
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研究分担者 |
後藤 和也 群馬県衛生環境研究所, その他部局等, 研究員 (30599866)
山口 直哉 群馬県衛生環境研究所, その他部局等, 研究員 (30600324)
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キーワード | 生物多様性 / 里地里山 / SATOYAMAイニシアティブ / 環境教育 |
研究概要 |
群馬県と埼玉県の県境を流れる神流川は、関東地方にある国直轄区間10 km以上の河川を対象とした水質ランキングで最上位に位置する清流であり、上流域の自治体の主要な観光資源になっている。本研究では、この地域の自然資源を活用したエコツーリズムの創出を目指し、環境学習プログラムの開発を進めてきた。 環境学習の主題は神流川の河川生態系評価であり、ツーリズムのガイド役となるファシリテーターには生物多様性保全の重要性、生態系評価の手法、環境保全のためのアプローチ等について十分に理解しておくことが求められる。そこで、最終年度はファシリテーター養成のためのワークショッププログラムを開発し、22名のボランティアを対象に試行した。ワークショップは次の4つのステップで構成し、それぞれ30分程度のプログラムとした。(1)多様度の定義を理解する。(2)生物多様性の3つの要素を理解する。(3)日常生活と生物多様性の関係を考える。(4)多様な主体による環境保全の可能性について考える。 ワークショップの前後に記述式テストを実施し、テキストマイニングによって理解度を分析した。ここでは、ステップ1の結果を例に概説する。多様度の定義について形態素分析により語の出現頻度を分析したところ、ワークショップ前では「環境」、「生物」、「地域」など評価の対象を表す語が散在していたが、ワークショップ後には「種数」、「バランス」、「均衡性」など多様度を規定するパラメータに関する語が多数出現した。このことから、ワークショップにより被験者が多様度の意味を十分に理解できたことが確認できた。他のワークショップについても、ファシリテーターに必要な知識や考え方は習得できたものと総括された。 環境学習プログラムの開発と、ファシリテーターの養成プログラムの整備により、エコツーリズムの担い手となる地元の環境NPOに普及を図っていく予定である。
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